(第13回)ママの心配事④~赤ちゃんの食欲不振~
“今日のすくすく赤ちゃん” の紹介は、コラムの最後に登場です♥
2017年の新春を迎え、皆様におかれましては健やかに新年を迎えられたこと、心よりお喜び申し上げます。
本年も、少しでも育児ママのお手伝いが出来ますよう内容を進めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、前回は、育児ママの心配事の1つとして、赤ちゃんの下痢について考えてみました。
特に、この時期の下痢はウィルス感染(ノロウィルス)の可能性もあり、心配になりますよね。
赤ちゃんの病気は様々です、
下痢のように目に見えて、赤ちゃんの状態がわかるものもありますが、普段から赤ちゃんに接しているママにしかわからない病気もあります。
以前に比べて、お乳を飲む量が少なくなった、離乳食を食べなくなった、そんな赤ちゃんの状態はいつも一緒に過ごすママにしかわからないものです。
食べることは赤ちゃんの成長にとって大切なことです。
そこで、今回は赤ちゃんの“食欲不振”について考えていきたいと思います。
食欲不振とは?
食べ物を食べたいという生理的な欲求(意欲)が起きない、又は低下した状態をいいます。
消化器系の疾患等、様々な疾患や疲労、ストレス、運動不足、睡眠不足、生活リズムの乱れ等、多くの要因により引き起こされます。
東洋医学では、“脾”、“胃”、“肝”の機能が正常に保たれていない状態から起こると考えられています。
主に、脾の飲食物から吸収した栄養を気・血・水に変え、全身に供給すると同時に老廃物を排出する働きである“運化作用”の低下、そして、胃の飲食物を受け入れ、消化を行う働きである“受納作用”、消化熟成したものを小腸へ降ろし、消化吸収を進める働きである“降濁作用”の低下により起こると考えられています。
赤ちゃんの食欲不振とは一体、どういったものなのでしょうか?
赤ちゃんは生きるため、成長するために、身体の欲求に従い、お乳や食べ物を欲します。
いわゆる、本能です。
食欲不振とは、その本能が抑えられてしまっている状態です。
お乳を飲んだり、食事を摂ることにより、栄養を吸収し、成長エネルギーに変えていかなければならないときに、食欲不振が続けば、身体の成長に影響が出てしまいます。
赤ちゃんは自分自身の状態をママに言葉で上手に伝えることが出来ません。
そのため、ママが赤ちゃんの様子をよくみてあげる必要があります。
赤ちゃんの食欲不振のパターンは?
赤ちゃんの食欲不振にはいつくかのパターンがあります。
パターン1 病気による食欲不振
便秘等の消化器系の疾患、かぜや口内炎等の疾患が原因で食欲不振になることがあります。
食欲不振の他に、夜泣きが増える、ギャン泣きする、熱がある、元気がない等の様子の変化がないかみてあげてください。
パターン2 疲労やストレスによる食欲不振
赤ちゃんも疲れやストレスを感じます。長時間の移動や、長時間の外出をしたり、見知らぬ人や物音に長時間さらされたりすることで、赤ちゃんは疲労を感じ、ストレスを受けることで食欲不振になることがあります。
パターン3 赤ちゃんの体質による食欲不振
体質は赤ちゃんそれぞれに違います。たくさん食べる赤ちゃんもいれば、食が細い赤ちゃんもいます。
こんな時は、食欲不振???
赤ちゃんのこんな様子はちょっと気をつけてみてください。
?こんな時、その1?
それまでは、たくさんお乳を飲んでいたのに、急にあまり飲まなくなった・・・
こんな時、確認して頂きたいのは、「お乳以外の水分はちゃんと飲むのか?」です。
もし、白湯やお茶、果汁等はちゃんと飲むのであれば、その原因は、ママのお乳の味が変わった=“不味くなった”のかもしれません。
お乳はママの体調や食べる物によって味や舌触りが変わります。
ママの体調が悪い時、脂肪の多いものや、甘いもの、刺激物を多く摂り過ぎると不味いお乳になるといわれています。
日々の育児で疲れているママは体調も崩しがちです。また、食べることはストレス発散にもなるとは思いますが、赤ちゃんがママのお乳を飲んでいる期間は、気を付けてあげてください。
?こんな時、その2?
離乳食をたくさん食べていたのに、急に食べなくなった・・・
食べさせようとすると嫌がって食べない・・・
こんな時、確認して頂きたいのは、「食事以外では機嫌よく過ごしているか?」です。
もし、機嫌よく遊んでいるようであれば、その原因は、“むら食い期”に入ったのかもしれません。
一般的に生後6か月前後から始まる離乳食。赤ちゃんは離乳食に慣れてくると食べることに飽きてくる時期があります。又、自我が芽生えてきて、自己主張が始まると食べ物の好き嫌いがハッキリしてきます。どちらも、赤ちゃんの成長過程で起こる現象です。
離乳食を食べることに飽きてしまった赤ちゃんには、新しい食材を使ってみる、味を変えてみる、見た目(形や器等)を変えてみる等、興味を持たせてあげてください。
食べ物の好き嫌いについては、ママにはとても気になるところでしょうが、今は食べられなくても成長と共に赤ちゃんの味覚も変化し、自然に食べられるようになることが多くあります。
無理強いして、赤ちゃんが食べること自体を嫌うようになっては大変です。
かといって、好きな物ばかり与えることには栄養が偏らないかと抵抗もあるでしょう。
そんなときは、例えば、ミネラル、食物繊維が豊富なしいたけが嫌いであれば、同じようにミネラルや食物繊維を多く含んでいる海藻等、別の食べ物で補充してあげれば大丈夫です。
それと共に、おやつの量を見直す、適度な運動をさせる等で、空腹を感じさせることも必要です。
※東洋医学では、運動不足は脾の運化作用を失調させると考えられています。
そして、赤ちゃんが食事は楽しいと思える環境作りです。
赤ちゃんが食べないことでママがイライラしていては、楽しい雰囲気どころではありません。
自我の芽生え、自己主張は赤ちゃんの心が大きく発達している証拠です。
ここは、根気強く赤ちゃんに付き合ってあげてください。
赤ちゃんの食欲不振の対処法は?
パターン1の場合 病気
病気が原因であれば、その病気を治すことで食欲不振も改善します。
特に、赤ちゃんの場合は、食欲不振以外に、下痢や嘔吐等で脱水症状を起こしていないか注意してください。
脱水症状がひどくなると命にかかわる場合があります。
赤ちゃんの食欲不振は“病気”のサインの場合が多くあります。
パターン2の場合 ストレス
赤ちゃんの疲労、ストレスが和らげば食欲不振は改善されます。
赤ちゃんは日々、成長していく中で、いろいろな体験をします。ママには日常的なことでも赤ちゃんには大きな緊張をもたらすこともあります。赤ちゃんの性格から、どういった行動が赤ちゃんにとってストレスになるのかをみてあげてください。
パターン3の場合 体質
東洋医学では、赤ちゃんの体質は、受胎時に親から受け継いだ生命エネルギーである“先天の本(せんてんのほん)”が大きく関わると考えられています。
ここで、赤ちゃんの体質は生まれ持ったもの・・・と諦めないでください!
赤ちゃんの成長には、生まれてから赤ちゃん自身が作り出す栄養である“後天の本(こうてんのほん)”も大きく関わってきます。
後天の本が不足することがないよう、しっかりと蓄えるために、赤ちゃんの生活習慣(栄養の偏り、生活リズム等)を見直すことで、体質改善の期待が出来ます。
とは言っても、生活習慣を見直すことは簡単には出来ません。育児に、家事に、場合よっては仕事に忙しいママもおられます。思う通りには出来ないこともたくさんあります。
そんなときは、東洋医学に基づいた夜泣きのお薬「ひやきおーがん」です。
「ひやきおーがん」は心身のバランスを整えることで、赤ちゃんの体質改善のお手伝いをします。
「ひやきおーがん」は夜泣きのお薬というイメージをお持ちのママが多いと思いますが、効能・効果は「小児の神経質、夜なき、かんむし、ひきつけ、かぜひき、かぜの熱、ねびえ(寝冷え)、下痢、消化不良、乳はき(吐乳)、食欲不振、胃腸虚弱」と様々です。
赤ちゃんにはたくさん食べて、すくすくと成長して欲しいものですよね。
ただ、全ての赤ちゃんが同じように成長するわけではありません。
赤ちゃんにはそれぞれに個性があり、体質も違いますので、成長の度合いも違ってきます。
そうとはわかっていても、例えば、平均体重よりも小さかったら、ちょっと不安になりますよね。
成長の源は、栄養です。栄養の吸収に大きな役目を果たす、胃腸。
次回は、赤ちゃんの胃腸虚弱(虚弱体質)について、考えていきたいと思います。
…今回も、最後までお付き合い頂き誠に有難うございました!
【 “今日のすくすく赤ちゃん” のご紹介です】
兵庫県の幸誠(こうせい)くん
(2014年3月生まれ、身長90cm、体重11kg)
~お母さんから幸誠くんへのメッセージ~
いつも元気いっぱいのこうせい。最近、おしゃべりも上手になっていろんなことができるようになってきました。これからもたくさん遊んですくすく大きくなってね。いつもまわりの人を笑顔にしてくれてありがとう!
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筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長