(第14回)ママの心配事⑤~赤ちゃんの胃腸虚弱・虚弱体質~
“今日のすくすく赤ちゃん” の紹介は、コラムの最後に登場です♥
前回は、育児ママの心配事の1つとして、赤ちゃんの食欲不振について考えてみました。
食べること、栄養を摂ることは赤ちゃんの成長にとって大切なことです。
赤ちゃんには元気にすくすく育ってほしい、そう願わないママはいません。
ただ、そうは思っていても、赤ちゃんは風邪をひいたり、お腹を壊したりします。
それは、成長する上で仕方のないことなのですが、それが頻繁に起きると・・・いわゆる「虚弱体質?!」と心配になりますよね。
そこで、今回は、赤ちゃんの“虚弱体質”、特にその中の“胃腸虚弱”について考えていきたいと思います。
虚弱体質とはどのような体質のことなのでしょうか?
“虚弱体質”という言葉を知っているママは多いでしょうが、どのような体質なのか、どのような症状を示すのかと聞かれると、その答えはバラバラではないでしょうか。実は、虚弱体質には、正確な定義はありません。
一般的には「体が弱い」状態を示す常識的な意味で用いられています。
体が弱いとはどのような状態をイメージしますか?
多くのママは、すぐに風邪をひく、熱を出す、頻繁に下痢をする、動くとすぐに疲れる、それらが頻繁に起こるといったものをイメージされるのではないでしょうか。
一般的な虚弱体質は、免疫力が低い(病気にかかりやすい)、胃腸虚弱(下痢しやすい)、体力がない(すぐに疲れる)状態を示しています。
虚弱体質は病院で治療してもらえるのでしょうか?
西洋医学では、虚弱体質という病名はありません。虚弱体質からもたらされた風邪、アレルギー等の慢性疾患に対する治療を行うだけで、虚弱体質そのものの治療はありません。
東洋医学では虚弱体質はどう考えているのでしょうか?
ここで、まずは、東洋医学の治療法について、お話します。
東洋医学の治療法は「同病異治(どうびょういち)」といって、同じ病気でも、個人(体質、年齢、性別)、時期(季節、気候)、地域(地理、社会環境)の違いや、病状の変化により異なる治療法を用います。
この治療のもとになる診断法の中の1つに「虚実弁証(きょじつべんしょう)」があります。
虚実弁証とは、正気の強弱と邪気の盛衰の変化を実証と虚証として診断する方法です。
ここでの「正気」とは生命力(人体の機能活動、自然治癒活動等)をさし、「邪気」は生命力を阻害し、病気を引き起こす原因です。
実証・・・正気は損なわれていない状態で、邪気の勢いが盛んなためにあらわれてくるものです。
急性的な症状が多いのが特徴です。
虚証・・・正気が不足し、虚弱なためにあらわれてくるものです。
慢性的な症状が多いのが特徴です。
このことから、虚弱体質は虚証が多いと考えられています。
そして、虚証は、胃腸が弱い(胃腸虚弱)場合が多くみられます。
特に、赤ちゃんは成長のために多くのエネルギーを必要としますが、脾、胃の機能が未熟なために胃腸のトラブルを起こしやすくなっています。
そこで、赤ちゃんの胃腸虚弱について考えていきたいと思います。
赤ちゃんの胃腸虚弱への対処法はどうすればいいのでしょうか?
今回は“養生法”をご紹介します。
“養生法”とは、健康状態と生活のあり方を判断して、より一層、健康になるためにはどうすれば良いかという方向性を示す考え方です。
その中で、生活の中で自分(ママ)自身で行う“生活養生”=赤ちゃんの体質に合った養生(食事内容、睡眠時間等の生活習慣の見直し)を行ってみましょう。
【 生活スタイル 】
生命エネルギーである“気”は朝に作られると考えられています。
早寝早起きを心掛けましょう。
ママやパパが夜更かしすることで、赤ちゃんも夜遅くまで起きてしまっていることはありませんか?
【 運動 】
赤ちゃんのペースに合わせて、無理のない範囲で行いましょう。
毎日、数分程度の運動でかまいません。
汗をかきすぎるまでの運動は禁物です(汗と一緒に“気”が消耗されてしまいます)
【 食事 】
1日3食、規則正しく食べましょう。
脾、胃の機能を高める「穀類」「芋類」「豆類」といった食材を取り入れましょう。
お粥もおすすめです。
♦この季節(冬)におすすめ食材♦
かぼちゃ・・・身体を温める。胃にやさしい。気を補う。
さつまいも・・・胃腸を強くする。気を補う。
さといも・・・消化を助ける。滋養強壮。
人参・・・脾の働きを高める。
♦特に、おすすめ食材はコレ!♦
山芋(長芋)・・・胃腸を丈夫にする。体力をつける。脾、肺、腎に働きかけるので養生に適した食材です。毎日、少量ずつ食べると効果的です。
果物では、この季節にスーパー等でよく見られる“イチゴ”は、胃腸の働きをよくする働きがありますので、おすすめです。
他には、動物性のお肉にも効果が期待できます。
牛肉・・・胃腸の働きを助ける。食欲を増進させる。体力をつける。
鶏肉・・・お腹を温める。身体に元気をつける。
豚肉・・・精力を高める。身体に潤いを与える。
鮭・・・胃腸を温める。消化機能を増進する。
1才以上の赤ちゃんの場合なら、お腹の調子を整える“ハチミツ”もおすすめです。
※ハチミツにはボツリヌス菌が入っている場合がありますので、1才未満の赤ちゃんには与えないでください。
ただし、ここで注意して頂きたいのは、脾、胃に良いからと、無理にたくさんの量を食べさせないようにしてください。
動物性のお肉の場合は、脂っこいものにも気をつけてあげてください。
胃腸虚弱の場合は、食べ物を食べても上手く消化出来ないので、栄養を吸収できません。
体に良いことをした、食べたからといって、すぐに効果は出ません。
最初は、少しずつでかまいません。継続することが大切です。
赤ちゃんの体質そのものを改善するためには、時間が必要です。
その間にも、赤ちゃんは風邪をひいたり、お腹を壊したりします。
効果的に赤ちゃんの体質を改善するために、生活養生と共に、東洋医学に基づいた生薬(お薬)の力を借りることも選択の1つではないかと考えます。
そこで、東洋医学に基づいた夜泣きのお薬「ひやきおーがん」です。
「ひやきおーがん」は赤ちゃんの脾、胃の機能を強くすることで、栄養を吸収する力を高めるお手伝いをします。
「ひやきおーがん」は夜泣きのお薬というイメージをお持ちのママが多いと思いますが、効能・効果は「小児の神経質、夜なき、かんむし、ひきつけ、かぜひき、かぜの熱、ねびえ(寝冷え)、下痢、消化不良、乳はき(吐乳)、食欲不振、胃腸虚弱」と様々です。
ママが愛情を込めて作ったご飯、胃腸虚弱な赤ちゃんでは上手く栄養を吸収できません。
赤ちゃんの胃腸虚弱の改善を「ひやきおーがん」がサポートします。
新年になり、冬もあと少しとなりましたが、このあと少しの期間が1番、冷え込む時期でもあります。
冷えは身体に様々な症状をもたらします。
次回は、赤ちゃんの寝冷え(寝相も含めて)について、考えていきたいと思います。
…今回も、最後までお付き合い頂き誠に有難うございました!
【 “今日のすくすく赤ちゃん” のご紹介です】
兵庫県の誠也(せいや)くん
(2015年11月生まれ、身長70cm、体重8kg)
~お母さんから誠也くんへのメッセージ~
にこにこ笑顔がとってもかわいいせいや。2つ上のお兄ちゃんが大好きで、同じように遊びたくてお兄ちゃんにくっついて行っています。いつか、兄弟2人で手をつないで歩いている姿を見るのが楽しみです♪
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筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長