(第23回)ママの心配事⑭~アレルギー疾患(食物アレルギー編)~
“今日のすくすく赤ちゃん” の紹介は、コラムの最後に登場です♥
前回のコラムでは、ママの心配事として、お子さんのおねしょ、夜尿症の対処法について考えてきました。
“おねしょ”はお子さんの成長過程の中で起きるもので、成長と共に治まっていきます。
一方、小学校に入学してからも続くおねしょ=“夜尿症”は、病院での治療が必要な場合もあります。
学校生活が始まると自宅以外でお泊りする機会も増え、夜尿症はお子さんにもママにも心配な症状です。
おねしょ、夜尿症以外にも、育児ママには心配事がたくさんあります。
昔から育児ママにはいろいろな心配事がありましたが、特に、“現代病”といわれているお子さんのアレルギー疾患については、今の育児ママの大きな悩みの1つではないでしょうか。
そこで、今回は、その“アレルギー疾患”について、まずは”食物アレルギー”を中心に考えていきたいと思います。
アレルギーとは?
私たちの体には、外から侵入してきたウィルスや細菌等の“異物”を攻撃し、退治しようとする「免疫」という機能があります。この免疫機能のおかげで、私たちは日常の中で病気にならずに過ごすことができています。
しかし、この免疫機能が過剰に働き、食べ物や花粉、ホコリ等の本来は“体に害のないもの”に対しても攻撃してしまうことで、起きるものが「アレルギー」といわれています。
アレルギーの原因は?
私たちの体は外から“抗原(異物)”が侵入してくると、タンパク質の一種である“抗体(免疫グロブリン:Ig)”を作って異物を攻撃します。
体内でつくられる抗体の種類は5種類あり、その中のIgEという抗体が、花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支ぜんそく、食物アレルギーといったⅠ型(即時型)アレルギーの原因となっています。
アレルギーが起きるしくみ
体内に抗原が侵入すると、免疫機能により体内にIgE抗体がつくられ、肥満細胞という細胞に結合します。
ここに、抗原が再度侵入してくると、抗原が肥満細胞に結合したIgE抗体に結合することで、肥満細胞から化学物質が放出されます。この化学物質の中には“かゆみ”等のアレルギー症状を起こすヒスタミンといわれる物質が含まれていて、アレルギー症状を起こします。
ちなみに、肥満細胞はマスト細胞とも呼ばれています。その名前とは違い、“肥満”には全く関係していません(^^;)
食物アレルギーとは?
食べ物に含まれる主にタンパク質が異物と認識されてしまい、アレルギー症状が起きることをいいます。アレルギーの原因となる異物を“アレルゲン”と呼びます。
アレルゲンの種類は?
3大アレルゲンと呼ばれる“卵”、“乳”、“小麦”の他にも、えびやかになどの甲殻類、果物等があります。
現在、日本では食品衛生法により、以下の原材料を使用した加工食品等には“表示が義務付けられているもの”、“表示を奨励されているもの”があります。
【表示が義務付けられているもの】
えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生の計7品目(特定原材料)
【表示を奨励されているもの】
あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンの計20品目(特定原材料に準ずるもの)
アレルギーの症状は?
アレルギーの症状は人によって様々です。
〇皮膚症状:発疹、じんましん、かゆみ等
〇呼吸器症状:くしゃみ、せき、呼吸困難等
〇粘膜症状:まぶた、口の腫れ、のどの粘膜の腫れ等
〇消化器症状:腹痛、嘔吐等
ここで、注意!!
上記のようなアレルギー症状が複数、急激に激しく起こることを“アナフィラキシー”といいます。
アナフィラキシーの症状の中には、急激な血圧低下で意識を失い、命にかかわるといった危険な症状もあらわれる場合があります。
子どもの食物アレルギーについて
食物アレルギーは赤ちゃんから6歳以下のお子さんに多くみられます。
原因としては、成長過程の中で消化機能が未熟なため、アレルゲンであるタンパク質を消化(小さくする)ことができず、(大きいまま)体内に取りこまれるためにIgE抗体がつくられやすくなり、アレルギー反応が起きると考えられています。
この場合、成長と共に消化機能が発達してくると、症状が改善する可能性があります。
食物アレルギーの対策法
対策1 アレルゲンを把握する
食事の後やおやつの後の様子をみて、おかしいと感じたら、病院で診察を受け、アレルゲンは何かを診断してもらいましょう。
対策2 アレルゲンを警戒する
病院での検査でアレルゲンが特定されたら、アレルゲンを除去する(口にしない)ように気をつけましょう。
スーパー等でお買い物をする時は、食品の表示を確認する等しましょう。
最近では、ファミリーレストラン等の外食産業のメニューにもアレルギー成分の表示がされています。
ママがきちんとチェックしてあげてください。
ここで注意!!
アレルゲンの中にはお子さんの成長に必要な栄養もあります。アレルゲンの除去については、どの程度まで行うのか等、医師としっかりと相談して行いましょう。
対策3 アナフィラキシー対策をする
過去にアナフィラキシーの経験がある、又はその危険性が高いと思われる場合は医師に相談しましょう。医師の判断により、緊急時に備えて“アドレナリン自己注射薬”が処方される場合があります。
アドレナリン自己注射薬とは、アナフィラキシー症状を引き起こす体内からの化学物質の放出の抑制、血圧上昇、気管支拡張といった作用のある注射薬です。
近年では、スーパーに陳列されている食品はもちろん、街のパン屋、ケーキ店等いろいろな場所で「〇〇は一切使用していません」といった表示を目にします。
それだけ、お子さんの食物アレルギーが増えているということなのでしょうね。
食事は生きるためには欠かせないものです。特に、赤ちゃん、お子さんは成長のために十分な食事(栄養)が必要です。
食物アレルギーのお子さんを持つママは、お子さんが口にするものには多くの注意が必要になってきます。
赤ちゃんのお薬「ひやきおーがん」について
弊社のお客様相談室にも度々、「子供に〇〇のアレルギーがありますが、“ひやきおーがん”を飲ませても大丈夫ですか?」というママからのお問い合わせがあります。
「ひやきおーがん」には小麦、卵といった“特定原材料”やゼラチン等の“特定原材料に準ずるもの”は使用されていません。
これらのアレルギーをお持ちの赤ちゃん、お子さんにも安心して服用して頂けます。
アレルギー疾患にはいろいろな疾患があります。
次回は、これからの季節に特に困る、お子さんの“花粉症アレルギー”について、考えていきたいと思います。
「ひやきおーがん」レポート!!
3月14日、大阪市中央公会堂にて開催された、公益財団法人母子衛生研究会主催セミナー「新米ママの育児講座~ママは子育て1年生~」に、樋屋製薬がブース出展致しました。
樋屋製薬のブースにも多くのママと赤ちゃんに来て頂きました。
ブースでは、育児ママへのアンケートや「ひやきおーがん」の説明等を実施致しました。
アンケートにご協力頂きました、多くのママに心より感謝申し上げます。
…今回も、最後までお付き合い頂き誠に有難うございました!
【 “今日のすくすく赤ちゃん” のご紹介です】
東京都の清哉くん
(2016年5月生まれ、身長72.5cm、体重8.8kg)
~ママからのメッセージ~
元気にすくすく大きくなってます。
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筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長