(第24回)ママの心配事⑮~アレルギー疾患(花粉症)~
“今日のすくすく赤ちゃん” の紹介は、コラムの最後に登場です♥
前回のコラムでは、ママの心配事として、お子さんのアレルギー疾患について、食物アレルギーを中心に考えてきました。
食物アレルギーは年々、増えつつあるアレルギー疾患です。
その子どものアレルギー疾患の中で、食物アレルギーよりも多いといわれているものがあります。それは、花粉アレルギー(花粉症)です。
そこで、今回は、この時期になると大人も悩ます”花粉症”について考えていきたいと思います。
花粉症とは
Ⅰ型(即時型)アレルギーの1つです。
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アレルゲンが“花粉”のものを花粉症といい、季節性アレルギー鼻炎ともいわれています。
ここで、ポイント!!
アレルゲンがハウスダストやダニ等、1年中あるものが原因で起こる鼻炎を通年性アレルギー鼻炎といいます。
花粉症が起きる時期
花粉の種類により違います。主な花粉の飛散時期は以下です。
スギ 2~4月
ヒノキ 3~5月
シラカンバ(カバノキ科) 4~6月
ハンノキ(カバノキ科) 1~4月
イネ科 5~8月 →夏の花粉症の代表
ブタクサ(キク科) 8~10月 →秋の花粉症の代表
ヨモギ(キク科) 8~10月
花粉症の症状
主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、涙目、目の充血等があります。
ここで、注意!!
口の中がかゆくなり、腫れたりする口腔アレルギー症候群という症状もあります。
口腔アレルギー症候群とは、シラカンバ、ハンノキ、イネ科の花粉症がある人がある果物や野菜を食べた時に起きるアレルギー症状です。
花粉により、アレルギー症状を起こす可能性のある果物、野菜は違います。
また、症状の起こり方には個人差がありますので、注意しましょう。
子どもの花粉症
近年、花粉症は低年齢化しています。鼻アレルギー診療ガイドライン2016年度版によると、5~9歳での発症率は約13%、10~19歳では約31%となっています。
子どもの花粉症の特徴
大人の花粉症の症状とは違い、子どもの花粉症では、“くしゃみ”はあまりみられません。
子どもの場合、鼻が小さいため、鼻がつまりやすく、つまることで花粉が入ってこなくなるため、くしゃみはあまり出ません。
また、鼻水も大人はサラサラとした水のような鼻水が出ますが、子どもの場合は少し粘りのある鼻水が出ます。
子どもの場合、目のかゆみ、目の充血等の目の症状も多くみられます。
ここで、注意!!
鼻づまり、鼻水といった症状は風邪の症状と間違えてしまう場合があります。
風邪の症状は長くても7~10日間で治まります。
それ以上長引いているようなら、それらの症状は、風邪が原因ではない可能性があります。
子どもは自分の症状がうまく説明できません。鼻づまりは見た目だけではわかりにくい症状です。
お子さんが口を開けて呼吸をしているようであれば、鼻がつまっていることを疑って、お子さんの様子をよく観察してあげてください。
子どもの花粉症は要注意
花粉症を放置していると、その症状(鼻づまり、鼻水等)のために夜によく眠れず、睡眠不足から日中の活動に影響が出る可能性があります。日中にぼっ~としている様子が多くなる、集中力がなくなる等の様子が見られたら、要注意です。
お子さんに花粉症の症状がみられたら、病院で診察を受けましょう。
花粉症の対処法
対処法1 アレルゲンを除去する
アレルゲンとなる花粉を避けましょう。
〇花粉の飛散量が多い日は外出を控える
〇外出時にはマスクを着用する
〇帰宅時には洋服についた花粉を取り払ってから室内に入る
〇帰宅後は手洗い、洗顔、うがい、鼻をかむ
〇室内の掃除をこまめにする 等
これらを全て、完璧にすることは難しいですが、出来る範囲で花粉からお子さんを守りましょう。
対処法2 お薬による治療
日常生活の中で、花粉を完璧に除去することは大変難しいことです。
お子さんの症状によっては、お薬による治療も考えましょう。
お薬は飲み薬、点鼻薬、点眼薬等があります。
ドラッグストアで購入できるもの、病院で処方してもらうもの、お薬も様々です。
勝手な判断はせず、使用に際しては、専門家(医師、薬剤師等)に相談しましょう。
ここで、ポイント!!
花粉症だけでなく、アレルギー性鼻炎に関して、東洋医学では、“体質改善”を重視して治療を行います。
東洋医学の視点でみる花粉症
東洋医学では、「肺は鼻に開竅(かいきょう)する」といわれ、肺の病気は鼻にあらわれると考えられています。肺の気が弱まることで、鼻づまり、鼻水等の症状があらわれます。
また、鼻水やくしゃみ等の症状は、脾の機能が弱まることで、体内に余分な水分が溜まりやすくなること(水毒)であらわれると考えられています。
東洋医学では、肺と脾は互いに助け合い、促進する関係にあります。これらのバランスを整えることで花粉症の症状を改善します。
ここで、ポイント!!
東洋医学では、“透明な鼻水”は体の“冷え”からきていると考えられています。
反対に、“色のついた鼻水”は体の“熱”からきていると考えられています。
東洋医学の視点での花粉症の対処法
体質改善を中心に、漢方薬を併用する治療があります。
まずは、自宅で出来る体質改善として、脾と肺の機能を強めることを心掛けましょう
対処法1 消化吸収の良い食べ物を摂る
脾への負担を少なくするために、油ものを控え、消化吸収の良い食べ物を中心に食べましょう。
対処法2 冷たいものを控える
アイスクリームやジュース等の冷たいもの、果物のような水分の多いものは脾の機能を弱めますので、控えましょう。
対処法3 朝食をきちんと摂る
肺の気を高めるために、朝食はしっかりと摂りましょう。
そして、朝食をきちんと摂るために、規則正しい生活を心掛けましょう。
ここで、ポイント!!
体の冷えの対処法は、温かいものをたくさん摂ることよりも、まずは冷たいものを体に入れないことが重要です。
赤ちゃん、お子さんの体は成長過程にあり、まだまだ未熟です。ちょっとしたことで心身のバランスが崩れます。体質改善はすぐに効果はあらわれにくいものですが、今後の健やかな成長のために、体質改善に取り組むことも育児ママの選択肢の1つではないかと考えます。
赤ちゃんのお薬「ひやきおーがん」について
これまで、この育児コラムでは、赤ちゃんのいろいろな症状に対する「ひやきおーがん」の働きをお知らせしてきました。
「ひやきおーがん」は夜泣きのお薬というイメージをお持ちのママが多いと思いますが、効能・効果は「小児の神経質、夜なき、かんむし、ひきつけ、かぜひき、かぜの熱、ねびえ(寝冷え)、下痢、消化不良、乳はき(吐乳)、食欲不振、胃腸虚弱」と様々です。
「ひやきおーがん」は東洋医学の考えに基づき、心身(五疳)のバランスを整えることで、赤ちゃんの体質を改善するお手伝いをします。
お子さんのアレルギー疾患はお子さんの体調、食事、生活を管理するママも大変ですが、疾患を患っているお子さんはもっと大変です。
次回は、お子さんの疾患の中でも特に大変な“アトピー性皮膚炎”について、考えていきたいと思います。
…今回も、最後までお付き合い頂き、誠に有難うございました!
【 “今日のすくすく赤ちゃん” のご紹介です】
大阪府の琉朱くん
(2015年9月生まれ、身長78cm、体重9.7kg)
~おばあちゃんからのメッセージ~
誕生してからずっと、パパとママの手を焼かさないとても良い子です。このまま、すくすくと成長してくれる事を願い、温かく見守っていってあげたいと思います。
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筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長