(第28回)育児の中の食生活~5、6カ月頃の離乳食(離乳食初期・ゴックン期)~

 

 

“今日のすくすく赤ちゃん” の紹介は、コラムの最後に登場です

 

 

 

前回のコラムでは、赤ちゃんの離乳食の基本について考えてみました。

 

 

赤ちゃんの離乳食は、人として“食べる”ことへの大事なステップです。

これまでママの母乳やミルクしか飲んでいない赤ちゃんが、いきなり大人と同じ食事は出来ません。

離乳食はそんな赤ちゃんのための”食べることへの練習”です。

 

 

離乳食には目安となる段階があります。

 

 

そこで、今回は、離乳食の開始時期である5、6カ月頃の離乳食について考えていきましょう。

 

 

 

 

 

離乳食の開始

 

5、6カ月頃は離乳食初期、ゴックン期ともいわれ、赤ちゃんが食べ物をゴックンと飲み込む練習をする時期です。

 

 

お子さんに以下の様子がみられたら、離乳食を開始してみましょう。

 

○哺乳反射がなくなってきた。

○しっかりと首がすわっている。

○支えがあれば自分で姿勢を保つことができる。

○大人が食べている物に興味を示す。

○口をモグモグさせる。ヨダレを出す。

 

 

 

 

離乳食&授乳・ミルクの回数

 

1日の中の離乳食、授乳・ミルクを与える時間帯をきちんと決め、生活リズムを整えましょう。

 

規則正しい生活リズムは赤ちゃん自身の体内リズムを整えることにもなり、赤ちゃんの夜泣き防止にも効果があります。

 

 

 

 

 

離乳食の回数

 

離乳食を開始してから1カ月間は1日1回にしましょう。

1カ月を過ぎた頃から1日2回に回数を増やしましょう。

 

 

 

 

 

授乳・ミルクの回数(目安)

 

母乳は赤ちゃんが欲しがるだけあげましょう。

ミルクは1日4~5回程度にしましょう。

 

 

 

 

 

離乳食の量

 

この時期の1番の目的は、食べ物をゴックンと飲み込む練習です。

まずは小さいスプーン1杯から始めましょう。

その後、1週間程かけて、スプーン1杯から3杯程度を目安に少しずつ増やしていきましょう。

 

 

 

 

 

離乳食のメニュー

 

最初は「10倍がゆ(米:水の割合=1:10)」から始めましょう。

 

 

1週間頃から、野菜類をスプーン1杯程度を追加しましょう。

2週間頃から、豆腐をスプーン1杯程度を追加しましょう。

3週間頃から、魚類をスプーン1杯程度を追加しましょう。

 

 

【 この時期から食べられる主な食品 】

 

炭水化物・・・米、うどん、そうめん、食パン 等

野菜・・・にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、大根、キャベツ、白菜、さつまいも 等

果物・・・りんご、いちご、バナナ、桃 等

タンパク質・・・豆腐、ひらめ、かれい、しらす 等

 

 

 

 

 

離乳食の与え方

 

新しい食品は1日に1品目だけにし、3~4日はそれを続けてみて、異常がなければ、次の新しい食品にチャレンジしましょう。

 

(例)

10倍がゆ

→10倍がゆ+にんじん

→10倍がゆ+にんじん+ほうれん草

→10倍がゆ+ほうれん草+かれい

 

 

 

 

 

注意!! 食物アレルギーの出やすい食品について

 

うどん(小麦粉)、そうめん(小麦粉)、食パン(小麦粉、卵、牛乳)、豆腐(大豆)、りんご、桃等の食品は食物アレルギーが出やすいため、少量から始めましょう。

 

 

特に、食パンにはアレルギーの出やすい食品が複数含まれていますので、離乳食中期(7、8カ月)以降を目安に与えた方が良いでしょう。

 

 

離乳食の後は、お子さんの様子(湿疹は出ていないか等)をよくみておきましょう。

 

 

 

 

 

離乳食の時間帯

 

アレルギー症状が出た場合、すぐに病院へ行けるように午前中が良いでしょう。

遅くとも昼過ぎまでには離乳食は済ませておきましょう。

 

 

 

 

 

調理方法

 

野菜、豆腐、魚類は茹でて、すり潰したものをあげましょう。

 

 

まだまだ母乳やミルクを飲んでいる時期です。出来るだけ滑らかにすり潰すようにしましょう(目安はヨーグルトの滑らかさです)

 

 

 

ほうれん草のペースト

 

ほうれん草

 

ほうれん草(葉先のやわからかい部分)を茹で、冷たい水に浸してアクを抜く。

しっかりと水切りし、細かく切って、すり潰す。

※ブレンダーを使って、多めに作り、小分けにして冷蔵保存しても便利です。

 

 

人参、かぼちゃのペースト

 

人参やかぼちゃのような硬い野菜は小さく切って、耐熱容器に水と一緒に入れ、ラップをして電子レンジでチン(加熱)しても、十分に柔らかくなります。熱いうちにすり潰せば簡単にペーストが出来ます。

 

 

 

白身魚(ひらめ、かれい)

 

素材の味にクセがなく、赤ちゃんにも食べやすい食材です。

小骨がありますので、骨抜きできちんと取りましょう。

 

 

おススメ食材~(釜揚げ)しらす~

 

しらす

 

しらすは3月下旬から5月が旬です。

 

 

魚を一匹丸ごと食べるので、ビタミン、ミネラルの他に、体内では作ることの出来ないDHA、EPAといったオメガ3脂肪酸やお子さんの成長には欠かせないカルシウムが豊富です。

小骨もなく、調理しやすいことも特長です。

 

 

釜揚げしらすは漁港や加工会社で塩茹でされていますので、調理前には必ず、熱湯で茹でて塩抜きを行ってください。

 

 

ここで、注意!!

 

釜揚げしらすの鮮度によっては、すり潰した時に内臓の苦味が強く感じるものもあります。

 

しらすペースト

 

苦味はだしで薄めてもなくなるわけではありませんので、ほうれん草のペーストやお豆腐のすり潰したものと一緒に与えたりする等の工夫をされると良いでしょう。

 

 

スーパー等で釜揚げしらすを購入する際には、鮮度にも気をつけてください。

 

 

 

離乳食のお助けグッズ~茶こし~

 

最近では、網目が2重になっているものもあり、少量ならこし器の代わりに使えます。

 

 

 

 

 

?ママの疑問?

 

1.栄養バランスはどうするの?

 

この時期の離乳食の“栄養”については、それほどこだわらなくても大丈夫です。

この時期の赤ちゃんは栄養のほとんどを母乳やミルクから摂取出来ています。

 

 

食べ物を食べる(飲み込む)ことがメインなので、食感等に重点をおいて、赤ちゃんがゴックンできるようにしてあげてください。

その上で、いろいろな食品を口にすることに慣れさせていくことを心掛けてください。

 

 

 

2.味つけはどうするの?

 

この時期の離乳食に“味”はつけなくても大丈夫です。

 

 

調味料は使わず、素材の味だけで与えましょう。食感を変えるためにペーストをのばす際には、お湯、又は、だし(昆布だし等)を使用しましょう。

 

 

嗜好(味覚)は5、6カ月頃から育っていくと考えられています。この時期から食べ続けていたものの味(味が濃い、塩辛い)は大人になってからの食生活にも影響します。

 

 

 

3.離乳食をあまり食べてくれない・・・。

 

この時期は離乳食をたくさん食べる必要はありません。スプーンを口の中に入れ、食べ物をゴックンと飲み込むことに慣れるための離乳食です。

 

 

赤ちゃんの胃腸はまだまだ未熟です。むしろ、赤ちゃんが欲しがるからといって離乳食をたくさん与え過ぎると胃腸に過剰な負担がかかり、トラブルの原因となります。

 

 

母乳、ミルクをきちんと飲んでいるのであれば、成長に影響はありません。

 

 

 

4.離乳食を準備するのが面倒・・・。

 

離乳食が始まると、ママはこれまで以上に忙しくなります。ミルクと違い、離乳食は切ったり、茹でたり、すり潰したりといった手間がかかります。

 

 

毎日、毎日、それが出来れば良いのですが、ママにはその日にしなければならないこと、ママ自身の体調がイマイチ・・・と家事の他にもママには日々、いろいろな状況があります。

 

 

そんな時は、無理せず、市販のベビーフードを使用することも育児を楽しくする方法の1つではないでしょうか(^^)

 

 

市販のベビーフードの味、食感は発売メーカーにより様々です。市販のベビーフードを使用する際には、ママがまず食べてみましょう。

 

 

自分の赤ちゃんが口にする味、食感を確認しておくことは、離乳食を準備することと同じくらい、ママの大きな愛情の1つです。

 

 

 

 

 

ここでお伝えしていることは、あくまでも”目安”です。

離乳食を始める時期については、赤ちゃんの成長に合わせてください。

 

 

離乳食の量も、母乳、ミルクの量も赤ちゃんそれぞれに違いがあって当然です。

周りの赤ちゃんと比べて、焦ったりしないようにしてくださいね。

 

 

 

次回は、7、8カ月(離乳食中期・モグモグ期)について、考えていきたいと思います。

 

 

…今回も、最後までお付き合い頂き誠に有難うございました!

 

 

 

“今日のすくすく赤ちゃん” のご紹介です】

 

28回

 

大阪府の千鶴ちゃん

(2016年7月生まれ、身長78cm、体重10kg)

 

~メッセージ~

生まれて以来、みんなからお父さん似だと言われています。とにかく元気で愛される女性に成長してくださいね。

 

 

 

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筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長