(第45回)夏に要注意!!~お子さんの汗かき②あせも~
“今日のすこやかキッズ” の紹介は、コラムの最後に登場です♥
前回のコラムではお子さんの”汗かき”について考えました。
”子どもは汗かき”です。
お子さんが外で遊んで帰ってきたら、水をかぶったように汗でびっしょり・・・元気たっぷりと笑っていられないのがママですよね(^^;)
汗と共にできたお子さんの“あせも”は見ているママも辛いものです。
そこで、今回は、お子さんの“あせも”について考えていきます。
“あせも”とは
“あせも”は“汗疹(かんしん)”と呼ばれる皮膚疾患です。
大量の汗により汗腺が詰まり、発汗が妨げられることによって汗が体の外に排出されず皮膚周辺に溜まることで起こる疾患です。
“あせも”の種類
あせもはその症状により3つに分類されます。
【水晶性汗疹】
皮膚の表面近くに汗が溜まってできる1~3mmほどの透明または白っぽい水ぶくれ。炎症が起きていない状態のためかゆみはほとんどなく、自覚症状が少ないため気づかずに自然に完治している場合があります。
【紅色汗疹】
水晶性汗疹よりも皮膚の深いところで汗腺が詰まり、皮膚の表面にできる赤く、水を含んだ小さなブツブツ。中心に小さな膿を持つ場合もあります。いわゆる“あせも”と呼ばれている汗疹です。熱感やかゆみを伴います。
【深在性汗疹】
皮膚の深い部分である真皮の境界部で汗腺が詰まり、真皮に汗が溜まってできる扁平な丘疹。
かゆみはほとんどありません。熱帯地域で多くみられ、日本ではほとんどみられません。
ここで、注意!!
あせも(紅色汗疹)はかゆみを伴うため、ひっかき、掻きむしることでそこに細菌が侵入し、“とびひ”などの二次感染を起こすことがあります。
※「とびひ」とは、伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)という細菌による皮膚の感染症です。
ここで、ポイント!!
お子さんの体にできたかゆみを伴う赤いブツブツ・・・“あせも”なのか“アトピー性皮膚炎”なのか、見分けがつかないため、ママは悩みますよね。
これらの見分け方は
【ポイント1】 部位
あせもは汗をかきやすく、蒸れやすい場所にできます(背中、首回り、わき、足の付け根、お尻、ひざの裏側など)
アトピー性皮膚炎は左右対称に、主に頭、顔(目、口)、耳の周り、首にでき、そこから、わきや手足に広がります。
【ポイント2】 経過
あせもは一過性ですが、アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返します。
子どもにあせもが多い原因
【原因1】 大量の汗
子どもはちょっとした運動でも体温は上がり、その上がった体温を調節するため汗をよくかきます。また、成長のため細胞分裂が活発に行われ新陳代謝が良いので、体内で大量のエネルギーを消費します。エネルギーを消費する際に体温が上がり、汗をよくかきます。
【原因2】 汗腺の密集
大人も子どもも汗腺数は変わりません。しかし、子どもは大人に比べて体が小さい(体表面積が小さい)ため、面積当たりの汗腺数が密集しています。その上、汗腺はまだ未熟なため、分泌された汗が汗腺の出口(汗孔)に詰まりやすくなっています。
このように、子どもは汗をかきやすく、その上、その汗が溜まりやすい状態にあるため、“あせも”ができやすいのです。
あせもの対処法
【対処1】 清潔を保つようにする
汗をかいたまま放置しておくことはあせもの原因となります。
汗をかいたらこまめに拭きましょう。そして、1日1回はシャワーやお風呂で体についた汗を洗い流すようにしましょう。
また、外で遊んだ後やお昼寝の後など、大量に汗をかいた時には、随時、シャワーで汗を洗い流すと良いでしょう。
ここで、注意!!
ゴシゴシと力を入れて汗を拭いたり、体を洗ったりするのはやめましょう。
肌に刺激を与えることで症状が悪化する場合もあります。また、肌を傷めてしまう場合もあります。汗を拭くときは吸湿性の高い清潔なタオルやガーゼで、そっと押し当てるように汗を拭きましょう。シャワーやお風呂の場合は、肌をやさしく撫でるようにして汗を洗い流しましょう。
ただし、1日の中で何度もシャワーをする場合、毎回、石鹸で体を洗っていると、肌の油分を奪ってしまうことになりますので、石鹸を使うのは1日1回程度とし、あとはシャワーのお湯で洗い流すだけにしておきましょう。
【対処2】 衣服に気を付ける
汗をかきやすい季節には通気性の高い、涼しい衣服を着せるようにしましょう。汗が蒸れないように襟元や袖口がゆったりしたものを選びましょう。また、かいた汗を素早く吸収する速乾性のある衣服も良いでしょう。
【対処3】 室温に気を付ける
室温は“適温”を心掛けましょう。
夏は外気温からマイナス5℃(外気温との差が大きすぎるとお子さん自身の体温調節がうまくできなくなるため)、冬は20~23℃を目安にエアコンなどで調整しましょう。
ここで、注意!!
あせもは夏だけにできるものではありません。冬にもあせもはできます。
暖房が強い室内にいるとジワジワと汗をかきます。衣服を重ね着していることで汗が蒸れ、あせもの原因となります。
ママの疑問~ベビーパウダーは使って良いの?~
今のおばあちゃんが育児をされていた頃は“天花粉(てんかふん)”や“シッカロール”と呼ばれていたベビーパウダー。
育児をされる年代によって、「使った方が良い」、「使わない方が良い」と見解がバラバラです。
「使わない方が良い」という意見の中には、ベビーパウダーが汗腺に詰まって却ってあせもの原因になってしまう、肌を傷めてしまうといったものが多くあります。
ベビーパウダーを使用する場合は、濡れた肌の水分をきちんと拭き取った状態で、肌が真っ白になるまで塗り付けるのではなく、肌の色がわかる、透明感を残す程度に軽く薄付けするようにしましょう。
ベビーパウダーはたくさん塗り付ければ良いというものではありません。
また、一時期、ベビーパウダーに使用されている一部の成分の安全性が問題視されましたが、今は厚生労働省の通達により、安全性に問題のないものが使用されています。
ベビーパウダーの働きは、“肌をサラサラにする”です。
ベビーパウダーの成分が肌に溜まった汗や水分を吸収したり、散らしたりすることで汗腺に汗が溜まることを防ぐことで、“あせも”の予防効果が期待できます。
お子さんの肌の状態、ママそれぞれの考えに合わせて、使う、使わないは決められたら良いでしょう(^^)
汗をかくことは体にとっては必要なことです。そうとわかっていても、汗をかく=汗の臭いが気になりますよね(^^;)
これは、汗かきのお子さんだけでなく、ママもパパも気になるところではないでしょうか。
お盆を過ぎてもまだ暑さの厳しい日が続きます。
そこで、次回は、お子さんの汗かきに関連して、「汗の臭い」ついて考えていきたいと思います。
…今回も、最後までお付き合い頂き誠に有難うございました!
【 “今日のすこやかキッズ” のご紹介です】
大阪府の天馳ちゃん(3才)
~ママからのメッセージ~
いつもプリンセスになっています。元気な女の子です。
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筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長