(第47回)秋に要注意!!~お子さんの秋バテ~

 

 

 

“今日のすこやかキッズ” の紹介は、コラムの最後に登場です

 

 

 

9月に入り、朝晩は過ごしやすくなってきました。

気温によっては、掛け布団をかけずに寝たら、明け方には寒くて目を覚ましてしまう、なんてこともあります。

 

 

 

「季節の変わり目には体調が悪くなる」と昔からよくいわれています。

その“季節の変わり目”が今のこの時期です。

 

 

 

では、お子さんの様子を見てみましょう。元気はありますか?食事はきちんと食べていますか?にっこり笑顔でいますか?

 

 

 

“なんとなく元気がない”、“ずっと疲れた様子をしている”、“ちょっとしたことでイライラする”、“食欲がない”そんな様子が見られたら、もしかすると“秋バテ”かもしれません。

 

 

 

そこで、今回はお子さんを中心に“秋バテ”について考えていきます。

 

 

 

 

秋バテとは

 

 

秋になっても夏バテのような症状が出たり、夏バテの症状が秋になってもずっと続いていたりすることをいいます。

 

 

 

 

 

秋バテの症状

 

 

夏バテの症状とほぼ同じです。

 

〇全身がだるい

〇疲れやすい、疲れがとれない

〇イライラする、感情が不安定

〇食欲不振

〇吐き気、嘔吐

〇便秘や下痢

〇微熱

〇頭痛

〇めまい

 

 

 

ここで、注意!!

 

「なんとなく、全身がだるい」、「なんとなく、疲れがとれない」、「なんとなくイライラする」という「なんとなく」、これを“不定愁訴(ふていしゅうそ)”といいます。

 

 

不定愁訴とは、体調の不調の自覚症状はあってもその原因がはっきりせず、検査をしても病気が見つからない状態をいいます。

 

 

この「なんとなく」が日常生活の中で自然に無くなれば良いのですが、これがずっと続くと身体にいろいろな支障が出てくるようになります。

 

 

これまで、不定愁訴を訴えるのは大人でしたが、近年では不定愁訴を訴える子どもが多くなっています。

 

 

お子さんの「なんとなく・・・」を見逃さないように注意してあげてください。

 

 

 

 

 

秋バテの原因

 

 

【原因1】 気温の変化、寒暖差

 

秋は朝と晩、日中の温度差が大きくなる季節です。大人でも体温調節機能が乱れやすくなる時期です。体温調節機能が未熟な子どもには尚更です。

 

 

 

また、室内と屋外の温度差も影響します。昔と違い、エアコンの普及により夏でも室内では涼しく過ごせるようになりましたが、屋外ではそうはいきません。25℃の室内から35℃の屋外へ出ると、一気に10℃もの温度差が身体に負荷としてかかります。

 

 

このような寒暖差の中での生活が長引くほど体温調節機能は乱れやすくなります。体温調節機能の乱れは自律神経の乱れに繋がります。

 

 

 

 

【原因2】 食生活

 

暑さのため、のど越しの良い冷たい飲み物、食べ物を多く摂り続けると、内臓が冷え、消化機能が低下します。食欲がないからとサッパリしたもの(冷たいもの)を摂ることで更に消化機能が低下します。

 

 

 

ここで、ポイント!!

 

 

秋バテの【原因3】に、“水分、ミネラルの不足”もあります。

 

 

 

秋に水分不足?!ミネラル不足?!と思われるでしょうが、秋といっても日中は蒸し暑い日が続きます。じわじわと汗もかきます。夏であれば、「熱中症」、「脱水症」への関心もあり、注意もしますが、朝晩が涼しい秋はついついその意識も薄くなります。

 

 

 

健常成人では「汗をかいた」と感じていなくても1日900~1,000mLもの皮膚や呼気からの水分の蒸発(不汗蒸泄)があります。子どもの場合は成人よりも体重あたりの不汗蒸泄が多いといわれています。

 

 

たとえ、お子さんが汗をかいていなくても、日常の中での水分補給はいつも心掛けておきましょう。

 

 

 

 

 

秋バテの対処法

 

 

【対処法1】  体を冷やしすぎないようにしましょう

 

 

日中はまだ蒸し暑い日が続きます。ついつい夏と同じようにエアコンで暑さをしのぎたくなりますが、リモコンのスイッチを押す前に、設定温度を見てみましょう。夏と同じ設定温度になっていませんか?

 

 

涼しさに慣れた体のままでは、秋の気温差について行くことができません。夏よりも少し高めの設定を心掛けましょう。

 

 

 

また、お風呂の際、夏の間はシャワーで済ませていても、これからの時期は湯船に浸かって、体の芯から冷えを取り除いていきましょう。

 

 

お子さんの場合、湯あたり(のぼせ)も注意しないといけませんので、お湯の温度の目安はぬるめの38℃程度にしましょう。湯船に浸かることで、汗をかきます。“体が温かく(熱く)なると汗をかく”という体温調節の基本を整えましょう。

 

 

食生活でも少しずつ、冷たいものを控え、温かいものを摂るようにしましょう。

 

 

これまでは、冷蔵庫で冷やした麦茶だったものを常温にしたり、今では、冷え対策の食材としてすっかり有名になった“生姜”を毎日のお味噌汁の中に少し入れるといった、ちょっとした事で構いません。まだ、蒸し暑い日もありますので、少しずつ始めてみましょう。

 

 

1日の生活の中で、体の外と内から冷えを取り、温めていくよう心掛けましょう。

 

 

 

 

ここで、注意!!

 

 

体を冷やしすぎないようにといって、慌ててお子さんに厚着をさせるのはやめましょう。

 

 

秋は気温差が激しい時期です。涼しい(寒い)と感じる時もあれば、暑いと感じる時もあります。温度差が激しいと体は疲れてしまいます。今から厚着をさせるのではなく、この後やってくる冬に備えて、こまめに衣服を調整し、出来るだけ薄着を心掛けて、少しずつ寒さに慣れていくことも必要です。

 

 

 

 

【対処法2】 生活リズムを見直しましょう

 

 

秋の代表的な言葉に「秋の夜長」があります。秋は1年の中でも“夜”が1番長い季節だといわれています。秋の夜長に読書、秋の夜長にDVD鑑賞、秋の夜長に・・・と、過ごしやすい時期だからこそいろいろとやりたいことはあると思います。

 

 

しかし、それが夜更かしへと繋がってしまうことにもなります。夜更かしは睡眠不足を引き起こします。睡眠不足は言わずもがな、決して良いことではありません。パパやママが遅くまで起きていると、お子さんもついつい・・・なんてことになる場合も。

 

 

この時期は適度な涼しさで寝つき易い時期でもあるからこそ、しっかりと睡眠をとり、朝は早く起きて、規則正しい生活を心掛けましょう。

 

 

 

ここで、注意!!

 

 

「秋の夜長」以外にも秋の代表的な言葉があります。それは、「食欲の秋」です。美味しく食べることは大切ですが、食べ過ぎるのは体にとっては良いことではありません。

 

 

食べ過ぎは内臓に負担をかけ、消化不良、胃もたれなどを引き起こします。お子さんの食欲があるからといって、際限なく食事を与えることには注意しましょう。

 

 

 

ここで、ポイント!!

 

 

「ひやきおーがん」は東洋医学の観点から、五臓のバランスを整えることで、胃腸の症状(食欲不振、消化不良、胃腸虚弱、下痢)を改善する生薬から出来たお薬です。

 

 

 

 

 

 

夜、窓を開けていると、聞こえてくる虫の鳴き声に秋の訪れを感じますが、実は、暦の上ではもうすっかり“秋”です。

 

 

暦からみる“秋”は、立秋から、処暑(しょしょ)、白露(はくろ)、秋分、寒露(かんろ)、霜降(そうこう)を経て立冬までをいいます。今年(平成29年度)の立秋は8月7日でした。もうすでに“秋”は始まっていたのですね。

 

 

そこで、次回は、秋に多いお子さんの病気の中から、最近、感染報告が増えてきている「RSウィルス感染症」について、考えていきたいと思います。

 

 

…今回も、最後までお付き合い頂き誠に有難うございました!

 

 

 

“今日のすこやかキッズ” のご紹介です】

 

47

 

神奈川県の芽衣花ちゃん

(2007年6月生まれ)

 

これまで、七五三や雑誌のモデルなどを経験したことのあるキッズ!

カメラ目線もバッチリ、決まってますね(^^)

 

 

 

 

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筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長