(第62回)冬に注意するべきお子さんの病気~風邪とお薬②~&クリスマス
“今日のすこやかキッズ” の紹介は、コラムの最後に登場です♥
今回は前回に続いて、風邪とお薬について考えます。そして、後半では、もうすぐやってくる“クリスマス”に向けて、ご家族みんなで楽しめる簡単なレシピをご紹介致します(^^)
まずは、風邪とお薬について。
妊婦さん、授乳中のママも注意をしていても風邪をひいてしまうこともあります。そんな時、お薬を飲もうかどうか迷いますよね。
妊娠中に風邪くらいでお薬を飲むなんてダメ!と思われている方も多くおられると思いますが、母体の状態や風邪の症状によっては、体力を出来るだけ早く回復させるために、妊娠中でも安心して飲めるお薬を適切に飲んだ方が良い場合もあります。
例えば、妊娠中の場合、激しい咳の持続は子宮収縮を起こし、切迫早産の原因になる可能性があります。
かといって、自身の判断だけで市販の風邪薬を飲むというのは控えてください。市販の風邪薬の中には妊娠中は使用を避けた方が良い成分が含まれているものもあります。なので、妊娠中の場合は、まずはお医者様に相談されるようにしてください。
ここで、注意!!
風邪予防にうがいをする際、“ヨード”が含まれているうがい薬を使用する場合は注意してください。
ヨードは胎盤を通過し、胎児の甲状腺に蓄積されます。長期間連用すると、胎児が甲状腺中毒になることがあります。ヨードが含まれたうがい薬を長期間使用する場合は薬液を飲み込まないようにしてください(基本的に、うがい薬は飲み込まないことが前提ですが)
最近では、手軽にどこでも使用できる“スプレータイプ”も人気がありますが、スプレータイプは薬液を飲み込んでしまうため、製品の使用上の注意にも“妊婦または妊娠していると思われる人”は“使用しないこと”となっています。
風邪予防のうがいは大切です。“予防”としてならば、水うがいでも効果は十分期待できますので、“風邪をひきたくないから”と神経質にならないようにしてください(^^)
また、ママ自身が使用するお薬について心配なのは、授乳中のママも同じですよね。
授乳中にお薬を飲んだ場合、赤ちゃんへの影響を心配するあまり、母乳をやめてしまうママもおられます。
授乳中の薬剤の服用については、薬剤が母乳へ移行することによる乳児への影響や母乳分泌への影響に注意しないといけません。しかし、乳児に吸収される薬剤の量は母親が服用した量の1%を超えることはないともいわれています。
国立研究開発法人国立成育医療研究センターのホームページでは、授乳中に安全に使用できると思われる薬として、アセトアミノフェンなど99成分が記載されています。
お薬を飲んだしまったから母乳をやめなくてはいけないというわけではなく、お薬によってはそのまま授乳を続けても大丈夫なものも多くあります。
風邪の治療は対処療法が基本ではありますが、授乳中のママは育児や家事に追われ、日常的に体力を消耗しています。そんなママが風邪をひくと症状が長引いてしまう場合が多くあります。
頑張るママほど無理をされがちです。授乳中だからといって、お薬はダメ!ではありませんので、そんな場合には症状が悪化する前にお医者様やドラッグストアの薬剤師、登録販売者に相談されるようにしてください。
ここで、注意!!
乳児は成人のように肝臓や腎臓の機能が十分に発達していないため、薬剤の蓄積や感受性には注意しないといけません。
最近では、エナジードリンクといった栄養ドリンクなどによるカフェインの過剰摂取が問題になりつつあります。カフェインは風邪薬や頭痛薬にも使用されている場合があります。
授乳中の母親が大量のカフェインを摂取したり、連用した場合には、乳児の体内にカフェインが蓄積して、頻脈や不眠などを引き起こす可能性がありますので注意してください。
さて、ここからは、もうすぐやってくる“クリスマス”についてです。
クリスマスとは、イエス・キリストの誕生を祝う日、つまり、イエス・キリストの誕生日
です。これは皆さん、ご存知ですよね。
現在の日本では、年間を通していろいろな行事が行われています。お正月、節分、ひな祭りなどの日本の昔からの行事に加え、バレンタイン、ホワイトデー、イースター(復活祭)、ハロウィンなどの諸外国で行われていた行事も行われています。
その中でもクリスマスは子どもから大人まで、誰もが知っている行事です。このクリスマスという行事が日本で初めて行われたのは1552年といわれています。400年以上も前から日本でもクリスマスが行われていたのですね!
今では、お正月と同じくらい大きな行事となっているクリスマス。
そんなクリスマスにピッタリなお料理を紹介します。
この料理の主役は「豚肉」です。
写真はスペアリブ(あばら肉)です。
クリスマスといえばチキン・・・となるところですが、ここでは豚肉です。
というのも、実は、東洋医学では、人間に1番近い動物は「豚」だと考えられています。
そのため、牛肉、鶏肉といった同じ肉類でも豚肉の方が身体により効果があるという考えもあります。
ここで、東洋医学の考え方を少しだけお話します。
東洋医学では、身体は「気(き)・血(けつ)・水(すい)」の3つの要素で構成されており、これらがバランス良く働くことで、人間は日々の身体活動を行っていると考えられています。
これら3つの要素の働きは以下です。
気・・・生命を維持する(エネルギー)
血・・・全身に栄養を供給し、潤す。精神活動を主る。
水・・・全身を潤す(体内の正常な水分)
これらが不足すると、身体に様々な影響が出ます。
「豚肉」には、滋陰(体を潤す)、補気(気を補う)、補血(血を補う)などの働きがあり、気・血・水をバランス良く補ってくれます。特に、滋陰(体を潤す)の働きは、のどや皮膚などが乾燥しやすいこの時期には大切です。また、疲労回復の働きもありますので、年末の忙しさでお疲れ気味のママやパパには最適です。
そこで、クリスマスパーティーにもおススメな「豚肉」を使った簡単レシピをご紹介します。
【オレンジジュースで作る!豚のスペアリブ】
材料(3~4人分)
豚スペアリブ 800g
オレンジソース〈基本の分量〉
↓
赤ワイン 1カップ
ケチャップ 1/2カップ
果汁100%オレンジジュース 2カップ
ウスターソース 大さじ2
醤油 大さじ4
砂糖 大さじ2
にんにく 2片
塩 小さじ2/5
こしょう 少々
作り方
(1)
豚スペアリブをオーブン(200℃)で15分焼く。
※余分な脂をしっかり落とし、臭みを取る。
(2)
鍋にオレンジソースの材料を入れ、一旦、煮立たせた後、冷ます。
(3)
(1)のスペアリブを(2)に加え、煮る。
お好みで、練からしを付けて、召し上がってください。
調理のポイント
〇オーブンがない場合は、魚焼きグリルでも可能です。その際は火力を中~大にしてください。ただし、魚焼きグリルはオーブンに比べ、熱源(火)が近いため、豚スペアリブの表面が焦げやすくなります。焦げ目が気になる場合は、豚スペアリブの上にアルミホイルをのせることで焦げ付きを抑えられます。
〇オレンジソースの量はスペアリブが浸るくらいあった方がしっかりと味が浸透します。
お肉もしっとり、柔らかくなります(^^)
このレシピで残った赤ワインはパパとママ。オレンジジュースはお子さん・・・で、乾杯!!も良いですよね(^^)
どうぞ、楽しいクリスマスをお過ごしください!!
次回は、東洋医学からみた年末年始の過ごし方について考えていきます。
今回も、最後までお付き合い頂き誠に有難うございました!
【 “今日のすこやかキッズ” のご紹介です】
群馬県の乃あ ちゃん
(2005年11月生まれ)
~ママからのメッセージ~
小学校最後の運動会で団長をし、見事!優勝をしました!夏休み明けから真剣に取り組んでいたので、優勝行進の時には涙を堪えながら堂々と一番先頭を歩いていました。一回り成長をした娘でした!
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筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長