(第63回)東洋医学からみた年末年始の過ごし方
今回のすくすく赤ちゃん、すこやかキッズは、今年1年間に当コラムに登場してくれた赤ちゃん、キッズ達です♥♥
クリスマスも終わり、2017年も残すところあと数日となりました。
年末年始は旅行に行かれる方、帰省される方、自宅で過ごされる方、お仕事の方といろいろおられるかと思います。いろいろな楽しみがある年末年始は元気で過ごしたいですよね。
そこで、もうすぐ訪れる新年に向けて、今回は、東洋医学からみた年末年始の過ごし方について考えていきたいと思います。
東洋医学からみた、冬はいつから?
東洋医学では、“冬”は立冬(11月7日頃)から立春(2月4日頃)までをいいます。
東洋医学からみた、冬の過ごし方(基本)
約2000年前の東洋医学の代表的な書物に「黄帝内経」があります。医学論文を集大成したものですが、その中の中国医学の基礎理論(生理、病理など)を中心に書かれた「素問」の第二篇「四気調神大論」の中で、冬についてこう記されています。
「冬の三カ月は“閉蔵(へいぞう)”という」
閉臓とは、万物が戸を閉ざして、陽気を潜伏させることをいい、いろいろな思い、考えを身体の中に潜伏させ、できるだけそれを行動に起こさず、春まで“気”を熟成させるという考えです。
つまり、冬は“気を保養する”期間だということです。
特に、五臓の中の腎の気(腎にある精気=腎気)を保養しなくてはいけません。冬に腎気を消耗すると、春には気力、体力が衰えて弱くなると考えられています。
冬の過ごし方の基本は、睡眠を十分にとり、ゆっくり過ごすことです。
ここで、ポイント!!
東洋医学では、1つ前の季節の過ごし方が心身に大きな影響を与えると考えられています。
春の過ごし方が良くないと、夏に手足などの冷えといった寒性の病気にかかりやすくなり、夏の過ごし方が良くないと、秋に咳などの咳症にかかりやすくなると考えられています。
東洋医学からみた、冬の過ごし方(応用)
ゆっくりと過ごすことが基本とはいっても、日常の家事や仕事はなくなるわけではありませんので、なかなかゆっくりと過ごすということは出来ません。
そこで、冬を元気に乗り切るためには・・・
腎の働きを助ける
ここでの腎は五臓の“腎”です。五臓の腎の働きは“精(生命の源)を貯蔵する”、“骨格形成”、“泌尿生殖活動を行う”などがあります。特に、生命の源であると考えられている“腎精”は人間の成長、発育、老化に大きく関係し、様々ある腎の働きの中でも重要なものです。
腎は冬の間は生命エネルギーを維持し、活動が活発になる春に向けて生命エネルギーの備蓄を行っています。冬はこの腎の働きを助けることが重要です。
ここで、ポイント!!
最近、白髪が多くなってきたのでは?と気になるというママ、パパは“腎”の働きが弱くなっているのかもしれません。
腎の働きを助けるには?
腎の働きを助ける(補腎)に良い食材を積極的に摂りましょう。
黒ゴマ、黒豆、山芋、黒米、サツマイモ、コンブ、ひじき、ニラ、豚肉、羊肉など。
また、“気”をたくさん含んでいる根菜類も摂りましょう。
特に、冬の時期はお鍋やポトフなどのスープのような温かい料理でこれらの食材を摂ると効果的です。
ここで、ポイント!!
補腎に良い食材の目安は“黒い食材”です。
黒ゴマ、黒豆、黒米、黒キクラゲ、ひじき、黒酢などがあります。
お正月のおせち料理の定番である「黒豆」。しっかりと食べましょう(^^)
ここで、注意!!
冬は生命エネルギーを蓄えないといけない時期です。本来であれば、ゆっくりと過ごす時期です。この時期に頑張り過ぎると、腎気が消耗し、腎が衰えることにより、老化現象を早めてしまうことになるとも考えられています。
普段の生活の他に、年末の大掃除やお正月の準備と忙しく過ごされるママも多いと思われますが、くれぐれも頑張り過ぎには注意してください。
腎を守るために、寒さから身を守りましょう
腎は寒さに弱く、寒さは体内の活動を衰えさせ、血行を悪くし、多くの病気の原因となります。寒さから身を守ることを心掛けましょう。
ここで、注意!!
東洋医学では汗をかくことは“気”を消耗すると考えられています。寒さ予防のために暖房を強くし過ぎると汗をかくことで気を消耗してしまいます。暖房だけに頼らず、衣服の調整などでも対応しましょう。
また、汗をかくということでは、運動も同じです。過度な運動は“気”を消耗します。冬は汗をかかない程度の軽いウォーキングがおススメです。
東洋医学からみた、年末年始の過ごし方
基本的には冬の過ごし方なのですが、年末年始に注意しないといけないのは、暴飲暴食です。
東洋医学では生活習慣のなかで病気の原因となるものに「飲食不節」があると考えられています。
飲食不節とは不適切な飲食を指し、“食べ過ぎ”の他に、“偏食”も含まれます。
食べ過ぎは五臓六腑の脾、胃を傷め、過度の飲酒は湿熱、辛味の過食は胃熱、冷たいものや生ものの過食は寒湿を生むと考えられています。
この“湿”は簡単にいうと「濁って、ドロドロしたもの」です。これらが体内に発生することにより、手足のむくみ、ニキビ、吹き出物、腹部膨満感、身体が重だるいなどの様々な症状を引き起こす原因となると考えられています。
健康的な年末年始を過ごすためには、暴飲暴食を控えることが1番ですが、年に1度のお正月です。おせち料理の他にも美味しいお料理が目の前にたくさん・・・そうなると、わかってはいるけれど・・・ですよね(^^;)
消化吸収の働きに大きく関係するのは五臓の中の“脾”です。
この“脾”の働きを助けることで、湿を体内に溜めこまないようにしましょう。
食事の際はゆっくりよく噛んで食べる、食べ過ぎた時は次の食事や翌日に消化の良い食事に変えることで脾の働きを助けてあげましょう。
暴飲暴食した翌日は、温かいおかゆや雑炊をゆっくりと食べることがおススメです。
皆様、どうぞ健康で楽しい年末年始をお過ごしください!!
ご挨拶
いつもこの育児コラムを読んで頂き、誠に有難うございます。
今年は46人もの赤ちゃん、キッズにこの育児コラムに登場して頂きました!
たくさんの素敵な笑顔に出会えたことに、心より感謝申し上げます。
また、今年は「ひや・きおーがん」は様々な育児イベントに出展致しました。
「ひや・きおーがん」ブースに遊びにきて頂いた、たくさんのママ、パパ、お子様にも心より感謝申し上げます。
イベントにて、育児中のママから頂いた数々のお声は「ひや・きおーがん」にとって、大変貴重なものでした。皆様からのお声を胸に、これからも「ひや・きおーがん」はお子様の健やかな成長のサポートのために、ママやパパに安心してご使用頂けますよう、製薬会社としての責任をもってまいりますと共に、この育児コラムでは育児中のママに参考にして頂けるような情報等を発信してまいります。
来年も「ひや・きおーがん」、並びにこの育児コラムをどうぞ宜しくお願い申し上げます。
来年の育児コラムは1月10日からスタート致します。
今回も、最後までお付き合い頂き誠に有難うございました!
《お知らせ》
現在、このコラムに登場してくれる3歳くらいまでの「すくすく赤ちゃん」、小学6年生までの「すこやかキッズ」を募集中です!
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筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長