(第64回)冬に注意するべきお子さんの病気~インフルエンザへの対応~
“今日のすくすく赤ちゃん” の紹介は、コラムの最後に登場です♥
2018年最初の“すくすく赤ちゃん”は戌年らしく、ワンちゃんの着ぐるみでポーズをとってくれた元気な男の子です!!
2018年(平成30年)になりました。
新年が皆様にとって素晴らしい年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
本年もこの「5分で役立つ育児コラム」を宜しくお願い致します。
さて、今週からはパパやママのお仕事、お子さんの学校などが始まり、ようやくお正月気分も抜けつつあるかと思います。
年末年始は旅行や帰省、ご自宅などで楽しく過ごされた方も多いでしょうが、中にはご家族が体調不良になってしまったという方もいらっしゃると思います。
現在、インフルエンザが流行しています。
国立感染症研究所が5日に発表した調査によると、2017年第51週(12月18~24日)の定点当たりの患者報告数は12.87人(患者報告数63,774)となり、前週の定点当たりの患者報告数7.40人よりも増加し、自治体が注意報を発令する目安の10人を今季初めて超えました。これは、昨季に比べて2週間早くなっています。
今週からはお子さんの幼稚園、小学校なども始まっています。周囲からの感染には特に注意しなくてはいけません。そこで、今回はインフルエンザへの対応について考えていきます。
インフルエンザかも?!
この時期、お子さんに以下のような症状がみられたら、インフルエンザを疑ってみましょう。
〇38℃以上の高熱
〇関節痛、筋肉痛、頭痛、倦怠感などの全身症状→小さいお子さんの場合、自身では症状が伝えられないため、機嫌が悪く、食欲がなくなり、泣き続ける場合が多くあります。
特に、幼稚園、小学校や塾などお子さんの身近なところでインフルエンザが流行っている場合は、安易に”風邪”だと判断せずに、医療機関を受診しましょう。
ここで、注意!!
38℃以上の発熱があっても、発熱後、すぐの段階ではインフルエンザの検査をしても正確に判定されない場合があります。
これは、インフルエンザの検査では、体内のインフルエンザウイルスの量がある一定以上に達していないと陽性と判断されにくいためです。そのため、発熱を確認後、6~12時間経過してから医療機関を受診するようにしましょう。
ここで、ポイント!!
インフルエンザ治療薬は、「インフルエンザを発症してから48時間以内に使用を開始する」が目安となっています。
なので、発熱したからすぐに医療機関を受診しないといけないわけではありません。特に、医療機関の診察が終わった夜間に発熱した場合、慌てて自宅から遠方の夜間診療を受診するよりも、朝まで自宅で安静にしておく方がお子さんの体力の消耗を防ぐためには良い場合もあります。
また、早くに受診しても正確に検査が出来ないため、結局、朝にもう一度受診しないといけないという場合もあります。
ただし、ぐったりしている、意識がもうろうとしているといった症状がある場合はすぐに医療機関を受診するようにしてください。
インフルエンザに感染した時の自宅での過ごし方
医療機関を受診し、インフルエンザ治療薬を服用したからもう大丈夫、ではありません。
インフルエンザ治療薬はインフルエンザウイルスの増殖を防ぐものであり、インフルエンザウイルスそのものを退治するものではありません。
体内にいるインフルエンザウイルスを退治するためには自分自身の力(自然治癒力)しかありません。発熱により消耗した水分、栄養を適切に補うことで闘う力を育てることが重要です。また、他の家族に感染が拡大しないようにすることも大切です。
体力の消耗を抑えるために、
〇安静にし、十分な睡眠をとる。
〇水分をこまめに補給する(お茶、イオン飲料、スープなど)
〇胃腸に負担をかけないよう、おかゆなどの消化の良いものを食べる。
〇汗をかいた下着などはすぐに着替える。
感染を拡大させないために、
〇部屋は加湿器などを使用し、湿度が50%前後になるようにする。
〇部屋の換気をこまめに行う。
〇(他の家族は)うがいをこまめにする。
ここで、注意!!
お子さんがインフルエンザに感染した場合、インフルエンザ治療薬の使用の有無にかかわらず、急に部屋中を走り出す、ウロウロする、部屋の外に出ようとする等といった異常行動が報告されています。
お子さんがインフルエンザに感染している間は、お子さんを長時間1人にしないようにするなど、周囲にいる大人がお子さんの様子に注意してあげて下さい。
お子さんへの解熱鎮痛薬の使用について
発熱は体がウイルスと闘っているという身体症状であって、発熱そのものが病気というわけではありません。発熱の原因によっては、体のウイルスや細菌と闘う力を強くするために、解熱薬を使用することは必ずしも必要とは考えられていないお医者様も多数おられます。
だからといって、解熱薬は絶対にダメというわけではなく、熱性けいれんを起こしやすいお子さんや、発熱によってお子さんが食事や水分が十分に摂れない場合は解熱薬を使用する方が良い場合もあります。
インフルエンザによる発熱の時に「アセチルサリチル酸(アスピリン)」、「メフェナム酸」、「ジクロフェナクナトリウム」が配合された解熱鎮痛薬を使用することはインフルエンザ脳症の発生や重症化に関係する可能性があるため、特に、お子さんについては使用を控えるようにして下さい。
ドラッグストアなどで購入できる市販薬の中で「小児用」となっている解熱鎮痛薬に配合されている成分は全て「アセトアミノフェン」ですが、大人用となるとそうではなく、上記の3成分をそれぞれ配合した市販薬があります。
お子さんが高熱を出したからといって、家にあるママやパパが使用している解熱鎮痛薬を代用するようなことは絶対にしないで下さい。
尚、”インフルエンザ”についての詳細は以下のコラムもご参照ください。
お子さんの発熱について
この時期の発熱は、風邪やインフルエンザと決めつけてしまいがちですが、発熱は必ずしも、インフルエンザや風邪が原因とは限りません。特に、小さいお子さんの場合は注意が必要です。
生後3カ月までの赤ちゃんの発熱は合併症の心配もありますので、すぐに医療機関を受診するようにしてください。
それ以降の赤ちゃんの場合、発熱しても機嫌が良く、食欲があるようなら、体温をこまめに測定し、体温の変化をみて適切に医療機関を受診しましょう。発熱の他に、機嫌が悪く、食欲もない(ミルクなどを飲まない)、ぐったりしているなどの様子が見られた場合はすぐに医療機関を受診するようにしてください。
お子さんの発熱の原因はいろいろとあります。
この時期は特に、”発熱”には敏感になるママも多くおられると思います。
そこで、次回はお子さんの発熱について、原因となる病気、その対応について考えていきたいと思います。
今回も、最後までお付き合い頂き、誠に有難うございました!
【 “今日のすくすく赤ちゃん” のご紹介です】
大阪府の暁斗くん
(2016年4月生まれ、身長85cm、体重11.5kg)
~ママからのメッセージ~
2016年生まれの息子が、2回目の新年を迎えました。犬の着ぐるみを着て、2018年お正月の我が家のスターです。ちょっとお猿さんみたいに見えるのは、申年生まれだからかな?なんて思っています(^^)
《お知らせ》
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