(第68回)お子さんの薬について②~誤飲~

 

 

“今日のすくすく赤ちゃん” の紹介は、コラムの最後に登場です

 

 

 

 

立春(2018年は2月4日)を過ぎ、暦の上では“春”にはなりましたが、春を感じるのはまだまだ先になりそうな日々です。

 

 

 

その原因の1つがインフルエンザです。

インフルエンザが現在も大流行しています。

 

 

 

国立感染症研究所が31日に発表した調査によると、2018年第4週(1月22日~28日)の定点当たりの患者報告数は52.35人(患者報告数259,063人)となり、前週の定点当たりの患者報告数51.93人よりも増加しました。

 

 

 

都道府県別では、22都道府県で前週の報告数よりも増加がみられ、25府県で前週の報告より減少がみられました。

 

 

 

全国の保健所地域で警報レベルを超えている保健所地域は494箇所(全47都道府県)、注意報レベルを超えている保健所地域は55箇所(1都1道2府21県)となっています。

 

 

 

インフルエンザウイルスの検出状況では、直近の5週間(2017年第52週~2018年第4週)では、B型の検出が最も多く、次いでA型(H1pdm09)となっており、例年2月~3月に流行するB型が早めに増えていることがわかります。

 

 

 

この一週間に受診した患者を年齢別でみると(全国の医療機関推計)0~4歳が(全体の)約10%、5~9歳が約22%、10~14歳が約15%となっており、インフルエンザ患者の約半数が14歳以下の子どもとなっています。

 

 

 

お子さんのいるご家庭は、特にインフルエンザに気を付けてお過ごしください。

 

 

 

 

さて、今回の育児コラムでは、お子さんの薬の誤飲について考えていきます。

 

 

 

公益財団法人日本中毒情報センター(以下「中毒情報センター」という。)が収集した情報によると、平成26年1月~12月に中毒情報センターが収集した5歳以下の子どもの医薬品等誤飲事故情報8,433件のうち、症状を有したものは849件ありました。

 

 

この849件のうち、子ども本人による誤飲事故は764件、大人の与え間違い(医薬品等の取り違え、医薬品等の飲ませ間違い及び使用時のアクシデント等)は105件でした。

 

 

子ども本人による誤飲事故における誤飲した子どもの年齢は1歳~2歳が1番多く、549件でした。

 

 

 

 

子どもによる医薬品誤飲事故の事例

 

 

中毒情報センターの調査による事例

 

 

【事例1】子どもが足場を持ってきて手に取った医薬品を誤飲したと推定される事故

 

1歳7カ月の子どもが床から136cmの高さの扉付き棚に保管されていた医薬品を座椅子2台と子ども用椅子を足場にして手にしたと考えられる。棚の近くに噛み跡のあるPTPが落ちているのを親が発見した。棚に保管してあった胃腸薬を4錠~5錠誤飲していた。

 

 

 

【事例2】置き忘れた医薬品を誤飲した事故

 

昼寝前に、親が服用して残ったPTP包装の精神安定剤をベッドサイドの床から58.5cmの高さのテーブルに置いたまま2歳5カ月の子どもと一緒に昼寝をした。子どもはサイドテーブルの医薬品を手に取り誤飲した。

 

 

 

【事例3】兄の治療中に弟が医薬品を誤飲した事故

 

親は居間の床に薬箱を置いて、兄のけがの手当てをしていた。その間に2歳6カ月の弟が薬箱に入っていた乗物酔防止薬を取り出し3錠~7錠誤飲していた。乗物酔防止薬はタブレットで数日前まで食べていたタブレット菓子と外観が類似していた。

 

 

 

【事例4】甘い味のする水薬(みずぐすり)を多量に誤飲した事故

 

床から85cmの高さの調理台の奥(奥行き63cm)に一時的に水薬を保管していたところ、2歳10カ月の子どもが水薬を飲み干していた。この水薬はいちご風味であり、甘くて飲みやすいことが特徴だった。

 

 

 

 

消費者庁に寄せられた事故事例

 

 

 

【事例5】クリーム剤を体に塗った後、放置していた。しっかり蓋を閉めたつもりだったが、気が付くと1歳1カ月の子どもがチューブをくわえており、口腔内にクリーム剤が付いていた。

 

 

 

【事例6】2歳0カ月の子どもがパソコンデスクの棚(床から140cmの高さ)の箱に入れていた薬を取り出し誤飲した。床にある箱を踏み台にしてパソコンデスク(床から高さ80cm)によじ登り、パソコンデスクの棚に手が届いたと考えられる。

 

 

 

これらの事例からわかるように、親はきちんと保管しているつもりでいても、子どもは親の想像以上の事をする場合があります。

 

 

 

中毒情報センターの調査では、0歳の時に足場を使わない場合が多く、1歳を超えると、その場にある足場を利用するか足場を持ってきて医薬品を取ることが多くなったという結果が出ています。

 

 

 

消費者庁のホームページでも子どもによる医薬品の誤飲事故についてのお知らせが掲載されており、その中で、子どもの年齢や段階による事故の特徴が記されています。

 

 

 

6カ月から1歳半頃まで

 

【行動の特徴】

身近にあるものを手に取り何でも口に運ぶ。

 

 

【事故の特徴】

・口に入れることが想定されていない医薬品(塗り薬など)でも誤飲する。

・通常の取り出し方でない方法で誤飲(PTP包装ごと口に入れる、袋を噛んで破るなど)

 

 

 

1歳半頃から2歳まで

 

【行動の特徴】

周囲への興味・関心が高まり人の模倣をする。

 

 

【事故の特徴】

・足場を使って高い場所にある医薬品を取り出し誤飲

・包装容器を通常の取り出し方で開けて誤飲

 

 

 

2歳頃から

 

【行動の特徴】

興味を持って好んで手に取る

 

 

【事故の特徴】

・お菓子と間違えて誤飲(ドロップ、ゼリー等の医薬品)

・子どもが飲みやすいよう甘く味付けされたシロップ剤等を多量に誤飲

・足場になるものを自ら持ってくるなどして高い場所にある医薬品を取り出し誤飲

 

 

 

 

お薬の服用後はそのまま放置せず、元の安全な場所に片付けましょう。また、お子さんはママの行動をしっかり見ています。薬を出し入れする際にはお子さんの興味をひかないように、お子さんの目に入らないところで行いましょう。ママ自身がお薬を飲む時も同じく、お子さんの興味を引かないように気をつけましょう。

 

 

 

 

子どもの医薬品誤飲対策

 

 

親(保護者等)への注意喚起を通じて家庭での適切な医薬品の管理を促すとともに、医薬品の包装容器面での対策も検討されています。

 

 

 

例えば、子どもの誤飲事故事例にも出てきた甘く味付けされたシロップ(かぜ薬、鼻炎薬、咳止めなど)は、ドラッグストアで販売されているものの多くは「安全キャップ」が採用されています。

 

こちらは、ひや・きおーがんが販売している“ヒヤこどもかぜシロップS”の安全キャップです。

 

  

 

 

 

このキャップは通常の開け方では開けられません。キャップの上から押しながら回して開けるものです。

 

こちらは、“ヒヤこどもかぜシロップS”の添付文書に記載している安全キャップの使用方法です。

 

 

安全キャップは力学的な開封手順の複雑さにより子ども自身での開封(誤飲)を制御したものです。

 

 

 

お子さんは日々、成長しています。「え、いつの間にこんなことが出来るようになったの?!」と日常の中で驚かれることもあるのではないでしょうか。

 

 

 

子どもの医薬品の誤飲はご家庭での適切な医薬品の管理により、リスクは低減します。

ママやパパがよく注意してあげてください。

 

 

 

 

次回は、2月14日バレンタイン!に合わせて、チョコレートについて東洋医学の視点から考えてみたいと思います。

今回も、最後までお付き合い頂き、誠に有難うございました!

 

 

 

【 “今日のすくすく赤ちゃん” のご紹介です】

 

 

兵庫県の莉瑚ちゃん

(2016年6月生まれ、身長82cm、体重9kg)

 

~ママからのメッセージ~

パン大好き!ぼろぼろこぼしたり、途中で立ち上がったり、大変だけれど一生懸命もぐもぐ食べています!

 

 

 

 

 

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筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長

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