(第79回)春に注意するべきお子さんの病気~水痘(みずぼうそう)~&イベント報告

 

 

 

今回は、1980年代の“あの頃のすくすく赤ちゃん”です!

“あの頃のすくすく赤ちゃん” の紹介は、コラムの最後に登場です。

 

 

 

尚、これまでの「すくすく赤ちゃん」、「すこやかキッズ」は引き続き募集中です!

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ゴールデンウィークが始まりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか?

 

 

「ひや・きおーがん」は4月29日(日)、兵庫県三田市で開催されました“まちFUNまつりIN三田”に出展致しました。

 

 

 

当日はお天気も良く、会場となった三田市まちづくり協働センターには多くの親子連れの方々にお越し頂きました。

 

 

 

ワークショップやハンドメイド雑貨の販売、ステージではダンスや音楽、クイズ大会などが行われ、大変活気のあるイベントでした(^^)

 

 

 

 

 

今回、「ひや・きおーがん」ブースでは、2つのイベントを行いました。

 

 

 

1つは、お子様には「ひや・きおーがん銀粒」のパッケージに使用している大人気キャラクター“リラックマ”のぬいぐるみやグッズが当たるくじ引きを実施致しました。

 

 

そして、もう1つ・・・

 

 

「ひや・きおーがん」は生薬から出来た”お子様の日常の中の気になる症状(神経質、かぜひき、食欲不振など)を改善するお薬”です。

 

 

生薬は“薬”ではありますが、実は日常の中で食材として口にしているものも多くあります。イベントを通じて、1人でも多くのママやパパに生薬を身近に感じて頂きたいと思い、ママやパパには生薬を使った“季節の薬膳茶”の試飲を実施致しました。

 

 当日、試飲して頂いた薬膳茶(2種類)

 

 

 生薬の実物もお見せしました。

 

 

 生薬についての説明です。

 

 

 

イベントでは、たくさんのお子様、そしてママやパパに「ひや・きおーがん」ブースにお越し頂きました。

 

 

 

 

 

 

中には、先月発表した「夜泣き大賞」で副賞に選ばれたエピソードのママがブースにお越し下さり、わざわざご挨拶してくださるというサプライズもありました(^^)

 

 

「ひや・きおーがん」ブースにお越し頂きました皆様に心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

では、ここからはいつもの育児コラムに戻ります。

 

 

今回は春に注意するべきお子さんの病気として、水痘(みずぼうそう)について考えていきたいと思います。

 

 

 

 

水痘(みずぼうそう)とは

 

 

水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus;VZV)に感染することで発症する感染症です。

 

 

 

 

 

 

潜伏期間

 

 

主に14~16日間(10~21日間)

 

 

 

 

 

 

症状

 

〇全身性の発疹

〇発熱(38℃前後)

〇全身倦怠感

 

 

発疹の経過は、

紅疹(皮膚の表面が赤くなること)→水疱、膿疱(粘度のある液体が含まれる水疱)→痂皮化(かさぶたになること)→治癒

 

 

白血病、ネフローゼ症候群など免疫抑制剤を使用している子どもや、免疫不全状態の子どもが感染すると、重症化し、命に関わることがあります。

 

 

また、成人が感染しても症状がより重症になり、合併症の頻度も高くなります。

 

 

感染はしても発症しない(=症状がでない)“不顕性感染”は少なく、5%程度とされています。

 

 

 

 

 

 

合併症

 

 

皮膚の二次性細菌感染、脱水、水痘肺炎、中枢神経合併症(無菌性髄膜炎、脳炎など)があります。

 

 

この中でも水痘肺炎は小児での発症は極めて稀ですが、成人では16~50%にみられるといわれています。

 

 

合併症の危険性は年齢により異なります。健康な小児ではあまりみられませんが、1歳以下と15歳以上では危険性は高くなります。

 

 

1~14歳の子どもでの死亡率は10万人に1人の割合ですが、15~19歳では2.7人、30~49歳では25.2人と上昇します。

 

 

 

ここで、注意!!

 

 

妊婦の水痘には特に注意が必要です。

 

 

 

妊娠初期では流産の危険性があり、妊娠中期以降では先天性水痘症候群(Congenital varicella syndrome:CSV)の危険性が生じます。また、妊娠後期の水痘肺炎は重症化することが知られています。

 

 

 

先天性水痘症候群は発達遅滞を伴う種々の神経障害、四肢の頭頸部や四肢躯幹の片側性の委縮性瘢痕(はんこん:キズ跡)などの多発先天奇形で水痘に感染した妊婦から2%程度の頻度で出生するといわれています。

 

 

 

また、出生時に先天性水痘症候群でなかった子どもも、高頻度に生後6カ月前後に帯状疱疹を発症する可能性があります。(新生児帯状疱疹)

 

 

 

 

 

 

感染経路

 

 

空気感染(飛沫核感染)、飛沫感染、水泡液の接触感染などの経路があります。

膿疱、水泡の中にはウイルスが存在しますが、かさぶたの中にはウイルスは存在しません。

 

 

水痘帯状疱疹ウイルスは空気感染するため感染力も強く、免疫のない集団に1人の感染者がいた場合、周囲の何人に感染させるのかを表す基本再生産数は8~10となっています。ちなみに、インフルエンザでは1~2です。

 

 

周囲へ感染させる期間は発疹出現2日前から全ての発疹が痂皮化するまでです。

 

 

通常、小児期に感染し、軽症であれば一生免疫が持続することが多いですが、水痘帯状疱疹ウイルスが治癒後の体内に潜伏し、何年も経ってから“帯状疱疹”として再発する場合もあります。

 

 

 

 

 

 

水痘の治療方法

 

 

治療には抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルなど)を使用します。

 

 

対処療法として、かゆみには、フェノール亜鉛華軟膏や抗ヒスタミン薬を使用します。また、必要があれば、小児の発熱にはアセトアミノフェンを使用します。

 

 

 

 

ここで、注意!!

 

 

小児に対して、解熱薬の成分である“アスピリン(アセチルサリチル酸)”はライ症候群の発症リスクを高めるため使用しません。

 

 

ライ症候群とは、原因は不明ですが、インフルエンザまたは水痘などのウイルス感染後、特にアスピリンを服用した小児にみられる病気です。急性脳症(脳の炎症や腫れ)や肝機能障害(肝機能の低下または喪失)を引き起こし、生命にもかかわります。

 

 

 

 

 

 

水痘の予防方法

 

 

ワクチン接種が効果的な予防方法です。水痘ワクチンは2014年(平成26年)10月1日から定期接種となりました。

 

 

対象年齢は生後12カ月~36カ月までの児。

 

 

接種回数は2回。

接種期間は生後12カ月~15カ月までに初回接種、2回目は初回から6カ月~12カ月の間隔で行ないます。

 

 

 

 

ここで、注意!!

 

 

水痘ワクチンはワクチン接種によって抗体が獲得されても、水痘を発症することが10~20%程度ありえます。ただし、この場合の水痘は発疹の数も少なく、極めて軽症であることがほとんどとされています。

 

 

尚、ワクチンの接種後の反応として、軽度の局所の発赤、腫脹(小児では19%、成人では24%)がみられる場合があります。

 

 

 

ここで、ポイント!!

 

 

水痘感染者に接触した場合、72時間以内に水痘ワクチンを接種すれば、発症の予防、症状の軽症化が期待できます。

 

 

 

 

 

 

ここで、疑問?? 外出、登校はどうしたら良いの??

 

 

学校保健安全法施行規則の中で、水痘は第二種感染症に定められています。

 

 

「すべての発疹が痂皮化するまで出席停止とする。ただし、病状により学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めたときは、この限りでない」

 

 

 

 

次回は、春に注意するべきお子さんの病気として、“流行性耳下炎(ムンプス、おたふくかぜ)”について考えていきたいと思います。

今回も、最後までお付き合い頂き誠に有難うございました。

 

 

 

“あの頃のすくすく赤ちゃん” のご紹介です】

 

 

~写真の思い出~

誕生時に4,000gあったため、生後3ヶ月の写真でもまだまだふっくらしています。周りに人がいないと、寂しがってすぐに泣く子だったそうです。

(写真は1983年撮影)

 

 

 

 

 

 

 

1980年代の世界での出来事

 

イラン・イラク戦争開戦(1980年)

インターネット誕生(1983年)

チェルノブイリ原子力発電所事故発生(1986年)

 

 

 

1980年代の日本での出来事

 

500円硬貨発行(1982年)

東北新幹線、上越新幹線開業(1982年)

バブル景気が始まる(1986年)

青函トンネル、瀬戸大橋が開通(1988年)

元号が昭和から平成となる(1989年)

 

 

 

 

 

 

 

筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長