(第86回)食中毒から家族を守りましょう③

 

 

 

今日のすくすく赤ちゃん” の紹介は、コラムの最後に登場です。

 

 

《お知らせ》

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大阪府北部を震源とする地震で被災された方々にお見舞い申し上げます。

 

 

6月18日、大阪府北部を震源に震度6弱の地震が発生しました。

 

 

犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 

 

今後しばらくは余震の危険があります。被災地の皆様におかれましては、十分にご注意頂きますようお願い致します。

 

 

 

 

 

今回の育児コラムは前回に引き続き、食中毒に関する、”予防、対処法”について考えていきます。

 

 

 

食中毒の予防

 

 

食中毒予防の三原則は、

 

「(細菌などを)つけない」

 

「増やさない」

 

「やっつける(殺す)」

 

 

 

 

 

細菌やウイルスをつけない

 

 

細菌やウイルスが食品に付いているかどうかを目視で確認することは出来ません。

細菌やウイルスを付けない、持ち込まないためには、

 

 

・調理前、生の肉や魚、卵などを扱う前後、残った食品を扱う前には手を洗う。

 

・野菜など洗える食材はしっかり洗う。

 

・まな板、包丁などの調理器具はよく洗い、清潔にする。

 

・生の肉や魚を扱う調理器具・箸と他の食品を扱う調理器具・箸は区別する。

 

 

 

 

細菌やウイルスを増やさない

 

 

細菌やウイルスは時間とともに増えていきます。また、温度、栄養、水分といった条件が満たされた環境になると育ちやすくなります。

 

 

多くの細菌の発育適温帯は20℃~50℃です(リステリア菌など一部の細菌は低温でも増殖します)

細菌やウイルスを増やさないためには、

 

 

・5℃以下、もしくは65℃以上で保管する。

 

・生ものや作った料理はあたたかい室内に置いたままにしない。

 

・すぐに食べない生ものや料理は冷蔵庫に入れて保管する。

 

・冷凍された食材を解凍する場合は室内で自然解凍せず、冷蔵庫内や電子レンジで解凍するようにする。

 

 

 

 

細菌やウイルスをやっつける(殺す)

 

 

細菌やウイルスの多くは高い温度に弱いので、十分な加熱で細菌やウイルスをやっつけることができます。

 

 

調理食材・食品の中心部の温度を75℃、1分以上加熱することでほとんどの細菌は死滅します(ノロウイルスは85~90℃、90秒以上)

細菌やウイルスをやっつけるためには、

 

 

・調理をするときは、食材の中心まで熱が通るように十分に加熱する(温度を測定する場合は、最も熱の通りにくい場所や食材で測定する)

 

・調理済みの食品はよく再加熱する。

 

・電子レンジで加熱する場合は、食品全体が安全な温度に達していることを確認する(加熱が均等にならない場合がある)

 

 

 

 

 

家庭で出来る食中毒予防の6つのポイント

 

 

ポイント1.食品の購入

 

・消費期限などの表示をチェックする。

 

・肉、魚などの生鮮食品や冷凍食品は最後に購入する。

 

・肉、魚はそれぞれ分けて包む(出来れば、保冷剤と一緒に)

 

・購入後は寄り道せず、まっすぐ帰宅する(食品を長時間、常温下にさらさない)

 

 

 

 

ポイント2.家庭での保存

 

・帰宅後、冷蔵や冷凍が必要な食品はすぐに冷蔵庫や冷凍庫へ入れる。

 

・冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保つ。

 

・肉、魚は汁が冷蔵庫内にもれないように包んで保存する。

 

・冷蔵庫内の温度を保つため、無駄な扉の開閉は控える。

 

・冷蔵庫や冷凍庫に食品を詰め込みすぎないようにする(冷気の循環が悪くなる)

 

 

 

 

ポイント3.調理の下準備

 

・キッチンで使用するタオルやふきんは清潔なものに交換する。

 

・井戸水を使っていたら、水質に注意する。

 

・冷凍食品の解凍は冷蔵庫内又は電子レンジで行う(室温で自然解凍しない)

 

・生肉や魚、卵を触ったら、こまめに手を洗う。

 

・包丁などの器具、ふきんは洗って消毒する(肉、魚を切った包丁は熱湯をかけておく)

 

・野菜は流水でよく洗う。

 

・肉、魚はサラダや果物など生で食べるものや調理済みのものから離しておく(生肉、魚の汁がかからないようにする)

 

・ゴミは流し台に放置せず、こまめに捨てる。

 

 

 

 

 

ポイント4.調理

 

・作業前に手を洗う。

 

・キッチンは清潔にする。

 

・加熱は十分に行う(目安は中心部の温度が75℃、1分間以上)

 

・電子レンジを使用するときは食材が均一に加熱されるようにする。

 

・調理を途中で止めたら、食品は冷蔵庫へ入れる。

 

 

 

 

ポイント5.食事

 

・食事の前に手を洗う。

 

・盛り付けは清潔な器具、食器を使う。

 

・料理は長時間室温に放置しない。

 

 

 

 

ポイント6.残った食品

 

・時間が経ち過ぎたり、ちょっとでも怪しい(不安)と思ったら、思い切って捨てる。

 

・作業前に手を洗う。

 

・温めなおすときは十分に加熱する(目安は75℃以上)

 

・手洗い後、清潔な器具、容器で保存する(早く冷えるように小分けする)

 

 

 

 

食中毒の対応~食中毒かな?と思ったら・・・

 

 

嘔吐や下痢をしたら、しっかり水分をとりましょう。

 

 

嘔吐や下痢の症状は原因物質を体外へ排出しようとする体の正常な防御反応です。医師の診断を受けずに、自分自身の判断で市販の下痢止め薬などをむやみに服用しないようにし、早めに医療機関を受診しましょう。

 

 

以下の人は症状が重症化する可能性がありますので、食中毒にかかったかもしれないときは、すぐに医療機関を受診しましょう。

 

・乳幼児や高齢者の方

 

・妊婦の方

 

・肝臓疾患、ガン、糖尿病の治療を受けている方

 

・鉄剤を飲む必要のある貧血の方

 

・胃腸の手術を受けた、胃酸が少ない等、胃腸に問題のある方

 

・ステロイドが入っている薬を飲んでいる、免疫力が落ちている方

 

 

 

ここで、注意!!

 

肝臓疾患、免疫力の低下などを基礎疾患として持つ方や貧血の治療で鉄剤を内服している方には特に、「ビブリオ・バルフィニカス感染症」に対する注意喚起が行われています。

 

 

ビブリオ・バルフィニカスとは

 

食中毒菌である腸炎ビブリオやコレラ菌と同様にビブリオ属に分類される菌です。

 

 

感染経路

 

海産魚介類を刺身や加熱不足の料理を食べて感染する場合と皮膚に傷のある人が海に入って傷から感染する場合があります。

 

 

症状

 

肝臓疾患、免疫力の低下などを基礎疾患として持つ方や貧血の治療で鉄剤を内服している方は症状が重症化することがあるため、注意が必要となります。

 

 

症状は発熱と激しい痛みで、ほとんどの患者に皮疹が認められます。皮疹は多彩で、紅斑、紫斑、水疱、血疱、潰瘍などが混在し、短時間で皮疹が変化します。このような症状がみられた場合は直ちに医療機関を受診してください。

 

 

予防

 

肝臓疾患、免疫力の低下などを基礎疾患として持つ方や貧血の治療で鉄剤を内服している方は、特に夏場における海産魚介類の生食は避け、適切に加熱調理したものを摂取することが重要です。

 

ビブリオ・バルニフィカスは通常の調理温度(中心部が75℃、1分間以上)で加熱すれば死滅します。

 

また、手足に傷のある人は6~10月は海水に入らないことにより予防も可能です。

 

 

 

 

食中毒の原因は様々です。だからといって、アレを食べない、コレを食べないとなってしまっては、栄養は偏ってしまいます。きちんと処理(加熱など)していれば、必要以上に心配することはありません(^^)

 

 

 

 

次回は、食中毒から家族を守りましょう④として、“お腹の健康を中心とした食材&レシピ”をご紹介致します。

今回も、最後までお付き合い頂き誠に有難うございました!

 

 

 

 

“今日のすこやかキッズ” のご紹介です】

 

 

大阪府の心那ちゃん

(2014年8月生まれ)

 

~ママからのメッセージ~

4月から幼稚園に行きはじめ、疲れ果てて帰ってきます。家事をしていてふと娘をみるとこんな姿。怒ってばかりですが、こんな寝顔を見ると子育てっていいな~としみじみ思いました。

 

 

 

 

 

 

 

筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長