(第11回)育児ママの心配事②~赤ちゃんの病気・発熱~

”今日のすくすく赤ちゃん”の紹介は、コラムの最後に登場です

 

 

 

前回のコラムでは、赤ちゃんと病気の関係から、赤ちゃんの風邪について考えてみました。

 

風邪の症状は様々です。鼻水、鼻づまり、せき、発熱…等々。

この中でも、特に、赤ちゃんの発熱については、多くの育児ママの心配事の1つだと思います。

 

 

今朝までニコニコしていたのに、急にギャン泣きし始めた赤ちゃん。

抱き上げると体がいつもより熱い感じがする。

体温を測ってみると、37.5℃…「熱がある!病気かしら?!」と心配になりますよね。

 

 

そこで、今回は、赤ちゃんの発熱について考えていきたいと思います。

 

 

 

まず、“発熱”はなぜ起こるのでしょうか?

 

 

発熱は(ウィルスや細菌等による)感染症等の内的要因により引き起こされます。

 

発熱のしくみは、

 

①(ウィルスや細菌等に)感染する

②免疫細胞の働きが活発になり、発熱を起こさせる発熱物質(サイトカイン)を作り出す

③サイトカインは脳(視床下部)へ命令を伝達するための物質(プロスタグランジンE2)を

作り出す

④プロスタグランジンE2は視床下部へ到着する

⑤視床下部から体の各器官に体温を上げるように命令が出る

 

 

 

体温が上がることで、体内のウィルス等の増殖を抑えると共に、ウィルス等を退治する白血球の働きが活発になります。

これらは、体が正常に戻ろうとする自然の反応です。

 

 

 

 

では、体温が何度になれば、発熱しているというのでしょうか?

 

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)によると、

 

発熱・・・体温が37.5℃以上の状態

高熱・・・体温が38.0℃以上の状態

 

それぞれ定義されています。

 

 

 

 

では、冒頭の赤ちゃんのように、体温が37.5℃あると、それは“発熱”なのでしょうか?

 

赤ちゃんの体温は平均36.5~37.5℃といわれています。

 

 

また、人体には24時間単位で体温が変動する体温リズム(概日リズム)があります。

体温は早朝が最も低く、夕方に最も高くなります。

その体温変動は1日のうちでも1℃以内程度の変動があるといわれています。

 

 

体温を測定する時間によっても体温は変わってきます。

なので、赤ちゃんの体温が37.5℃でも、発熱しているとは限りません。

 

 

いざという時に慌てないためにも、普段から赤ちゃんの平熱を知っておくことが大切です。

 

 

 

 

 

ここで、東洋医学の視点で、赤ちゃんの体について考えてみましょう。

 

 

 

赤ちゃんの体を東洋医学からみると、基本的に、赤ちゃんはこれから成長していくために生命エネルギーが強く、東洋医学の陰陽の考え方では“陽”の体質です。

(陰陽については、こちらをご覧ください)

(第3回)”原因のない夜泣き”にも”原因”はある?!

 

 

赤ちゃんは陽の体質により、体温は高めです。熱が上がりやすく、高温になることも多々あります。又、病気に対する自然治癒力も強いです。

 

 

 

一方で、防御作用である“衛気(えいき)”の働きや体表の浄化作用を司る“肺”の働きが未熟なため邪気(外邪)が侵入しやすく、風邪やインフルエンザといった邪気(ウィルス)に感染しやすいのです。(邪気については、こちらをご覧ください)

(第10回)育児ママの心配事①~赤ちゃんの病気・風邪(かぜ)~

 

 

すぐに熱を出しても、治るのも早いのが赤ちゃんの体です。

 

 

 

 

では、発熱の原因は何なのでしょうか?

 

発熱の原因として最も多いのは、ウィルスや細菌等による感染です。

 

 

ウィルスは風邪、インフルエンザ、おたふくかぜ、突発性発疹、手足口病等、様々な病気を赤ちゃんにもたらします。

 

 

 

 

赤ちゃんの熱が出たときの対応はどうすればよいでしょうか?

 

まずは、ママがしっかりと、すぐに病院へ連れて行くべきかどうかを確認してください。

 

 

このような症状は、すぐに病院へ連れて行ってあげてください。

 

 

1.生後3カ月未満で、体温が38℃以上

2.けいれんを起こしている

3.突然、38℃以上の高熱が出た

4.嘔吐や下痢を繰り返している

5.意識がもうろうとしている

6.苦しそうに呼吸している

7.元気がなく、ぐったりしている

 

 

こういった症状がなく、赤ちゃん自身の機嫌も良く、食欲もあるようであれば、まずは様子をみても大丈夫でしょう。

 

 

 

ここで、熱がある=熱を下げる(解熱剤を使用する)ではありませんので、注意してください。

 

 

熱があるということは赤ちゃんの体がウィルスと戦っている証拠でもあります。

赤ちゃん自身の自然治癒力を高めるという点からみると、必ずしも熱を下げることが大切ではありません。

 

 

一般的に、解熱剤の使用の目安(体温)は、38.5℃以上です。

ただし、以前に熱性けいれんを起こしたことのある赤ちゃんについては、38℃以上なら解熱剤の使用が必要になる場合があります。

 

 

弊社のお客様センターへの問合せの中にも、「体温が37.5℃なので、使ってもよいですか?」「体温が何度になったら、使ってもよいのですか?」という育児ママからのご質問があります。

 

 

赤ちゃんを少しでも楽にしてあげたいと思うママの気持ちはよくわかりますが、ママだからこそ、解熱剤の使用については注意してあげてください!

 

 

 

では、赤ちゃんの発熱への対処法はどうすればいいでしょうか?

 

 

ポイント1 こまめに水分を与える

発熱時に1番注意しないといけないのは、熱による脱水症状です。

赤ちゃん用のイオン飲料や湯冷まし等でこまめに水分補給してあげてください。

 

 

ただし、ここで注意が必要なのは、イオン飲料は栄養補給にはなりません。あくまでも水分補給です。栄養は食事で摂らせてあげてください。

 

 

 

 

ポイント2 体温調節をする

赤ちゃんは体温調節機能が未熟です。大人のように汗をかくことで、体温を下げるということが出来ません。衣服を重ね着させる、衣服を脱がせる等でママが体温を調節してあげてください。

 

 

風邪による発熱だと思っていたら、実は、厚着により体に熱がこもってしまい体温が上がっている場合もあります。

 

 

 

 

ポイント3 外出しない

熱が出ている間は、たとえ赤ちゃんの機嫌が良くても外出は控え、外気に当たらないようにしてあげてください。

 

 

東洋医学では、風邪(邪気)は体表から入ってくると考えていますので、外気に当たることで熱が悪化する可能性があります。

 

 

 

赤ちゃんの体は体温調節機能も未熟で、防御作用も弱く邪気(外邪)にすぐに襲われます。

この時期、特に注意しないといけないのは、赤ちゃんの風邪、そして風邪による発熱です。

 

 

しかし、どんなに注意をしていても、風邪をひいてしまうこともあります。

そんなときには、東洋医学に基づいた夜泣きのお薬「ひやきおーがん」です。

 

 

 

「ひやきおーがん」は心身のバランスを整えることで体力をつけ、そして、赤ちゃん自身の体温調節機能が正常になるお手伝いをします。

 

 

 

「ひやきおーがん」は夜泣きのお薬というイメージをお持ちのママが多いと思いますが、効能・効果は「小児の神経質、夜なき、かんむし、ひきつけ、かぜひき、かぜの熱、ねびえ(寝冷え)、下痢、消化不良、乳はき(吐乳)、食欲不振、胃腸虚弱」と様々です。

 

 

 

以前、弊社が「ひやきおーがん」の使用目的について実施したアンケートでは、「かぜひき、かぜの熱」で使用されているママは全体の24%もおられました。

 

 

 

 

これから、年末年始を迎えるにあたり、育児だけでなく家事も忙しいママ。

楽しいクリスマス、お正月を過ごすためにも、赤ちゃんとママ自身の健康管理にはくれぐれも気を付けてお過ごしください。

 

 

 

 

次回は、育児ママの心配事③として、赤ちゃんの「下痢、消化不良等の胃腸の病気」について、考えていきたいと思います。

 

 

 

…今回も、最後までお付き合い頂き誠に有難うございました!

 

 

 

 “今日のすくすく赤ちゃん” のご紹介です】

滋賀県のせいや君(2015年12月生まれ、身長77cm、体重9.8kg)

 

~ママから、せいや君へのメッセージ~

ボールが大好きです。見つけると風のような速さのハイハイでやってきます。最近はおじぎを覚えてごはんを食べるたびに何回もしてくれます。毎日とてもたのしいです! ママより

 

 

 

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筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長