(第12回)育児ママの心配事③~赤ちゃんの病気・下痢~

“今日のすくすく赤ちゃん” の紹介は、コラムの最後に登場です

 

 

 

前回のコラムでは、育児ママの心配事の1つとして、赤ちゃんの発熱について考えてみました。

 

 

赤ちゃんの体温が普段と違う(高い)・・・心配になりますよね。

それと同じく、普段と違うことで心配になるのが、赤ちゃんの便(うんち)です。

毎日、幾度となく赤ちゃんのおむつを交換しているママだからこそわかる”赤ちゃんのうんち”

 

 

この時期、特に気を付けたいのは“下痢”です。

そこで、今回は、赤ちゃんの下痢について考えていきたいと思います。

 

 

下痢はどうして起こるのでしょうか?

 

 

食事をすると、食べた食物は大腸の中を通過し、(大腸の一部である)S状結腸で水分が吸収され、適度な硬さの便が作られます。

 

 

これが、何かの原因により、食べた食物が急速に大腸を通過してしまい、うまく水分が吸収されない、腸粘膜から過度な水分が分泌されるなどして、便の水分量が増えてしまい下痢の症状が起こります。

 

 

ウィルスや細菌に感染した場合、腸内の分泌物の量が増え、便の水分量が増えることで下痢になります。

 

 

これは、身体の防御反応として、原因となる毒素やウィルスを早く体外へ出すために水っぽい便をたくさん出しているのです。下痢を止めてはいけないといわれるのはこのためです。

 

 

 

 

では、下痢とはどういう状態をいうのでしょうか?

 

 

下痢は健康時の便と比べて、非常に緩いゲル(粥)状もしくは液体の便が出る状態をいいます。

 

水分量でみると、健康便が60~80%に対して、下痢と言われる軟便が80~90%、水様便は90%以上です。

 

 

ここで、赤ちゃんのうんちが水っぽいと心配されるママ。赤ちゃんのうんちはもともと緩めです。母乳やミルクしか飲んでいない赤ちゃんだとうんちが水っぽくなるのが通常です。

 

 

赤ちゃんの下痢は、普段よりも水っぽくなっていないか、普段よりも回数が増えていないかを基準にしてあげてください。

 

 

いざという時に慌てないためにも、普段から赤ちゃんのうんちの状態、回数を知っておくことが大切です。

 

 

 

 

赤ちゃんの下痢の原因は何なのでしょうか?

 

 

 

赤ちゃんの下痢の原因には、食べ物、食物アレルギー等いろいろありますが、その中で多いのが、ウィルスや細菌による感染性胃腸炎です。

 

 

ロタウィルスやノロウィルス等によるウィルス性胃腸炎やサルモネラ、カンピロバクター等による細菌性胃腸炎(食中毒)です。

 

 

特に、この時期に注意しないといけないのは、ノロウィルスです。

ノロウィルスは冬季に発症することが多く(12~1月がピーク)、人から人への感染力も大変強く、大人でも容易に発症します。

 

 

 

 

 

赤ちゃんのうんちがいつもと違うな?というときの対応はどうすればよいでしょうか?

 

 

赤ちゃんのうんちがこのような色の時は、すぐに病院へ連れて行ってあげてください。

 

赤色、血便・・・腸重積の場合があります。

白色・・・ウィルスに感染している場合があります。

※ウィルス感染の場合、多くは“嘔吐”も伴います。

 

 

赤ちゃんのうんちの中で、黄色、緑色のうんちは特に問題はありません。それらが、いつもより、水っぽくなってきた、回数が増えてきた時には注意してあげてください。

 

 

熱もなく、機嫌も良いようなら、まずはご自宅で様子をみて大丈夫です。

熱があったり、ギャン泣き又はぐったりしている様子が見られる場合は病院へ連れて行ってあげてください。

 

 

 

ここで、下痢をしている=下痢を止める(下痢止めを飲ませる)ではありませんので、注意してください。

 

 

 

下痢は基本的には、原因となっている毒素やウィルスを体外へ出すための身体の正常な防御反応です。下痢止めを飲ませることで、毒素やウィルスが体外へ排出されるのを遅れさせてしまう可能性があります。必ずしも下痢を止めることが有効ではありません。

 

 

ママは赤ちゃんのうんちを見て心配になるでしょうが、下痢止めの使用については注意してあげてください!

 

 

 

 

では、赤ちゃんの下痢への対処法はどうすればいいでしょうか?

 

 

ポイント1 こまめに水分を与える

 

 

下痢の時に1番注意しないといけないのは、脱水症状です。

本来なら吸収するべき水分を排出しているため、体は脱水状態になりやすくなっています。

特に、赤ちゃんの場合は脱水症状がひどくなると命にかかわる場合もあります。

 

 

赤ちゃん用のイオン飲料や湯冷まし等でこまめに水分補給してあげてください。

ただし、柑橘系の果汁や糖分の多い飲み物は更に下痢を引き起こす場合がありますので、控えてください。

 

 

また、吐き気があって、どうしても水分が取れない場合は、脱水症状がひどくならないうちに、病院へ連れて行ってあげてください。

 

 

 

ポイント2 お尻を清潔にする

 

 

下痢になると、水っぽいうんちのために、おむつかぶれしやすくなります。

おむつを小まめに交換し、お尻を常に清潔に保つようにしてあげてください。

 

 

ただし、アルコール消毒等のお尻拭きで、拭きすぎると刺激の強さで返ってかぶれることがあります。下痢の症状が出ている間は、お尻だけシャワーをかけたり、温かいお湯で湿らせたタオルで拭き取る等して、清潔にしてあげてください。

 

 

 

ポイント3 ママもパパも清潔にする

 

 

赤ちゃんの下痢で大きな原因を占めるウィルス性胃腸炎の中には、感染力の強いウィルスもあります。下痢の症状が出ている赤ちゃんに触れた後には、手洗いを徹底して、ママもパパも清潔にしましょう。特に、おむつの交換時や赤ちゃんが吐いてしまったものを片付ける時などは注意してください。

 

 

 

 

ここで、東洋医学の視点から、赤ちゃんの下痢について考えてみましょう

 

 

 

東洋医学では下痢の主な原因は脾の機能障害と考えられています。

 

 

五臓である脾の働きの中に、“運化(うんか)”があります。これは、飲食物から吸収した栄養を気・血・水に変え、全身に供給すると同時に老廃物を排出する働きです。

なので、脾の機能が弱まると、消化不良、食欲不振、軟便、下痢等になります。

 

 

 

赤ちゃんは脾の機能が未熟で、気血も充実しておらず、抵抗力も強くありません。

心身のバランスが崩れやすく、内的要因、外的要因の影響を受けやすい状態です。

そのため、赤ちゃんは下痢を起こしやすいのです。

 

 

また、下痢を引き起こす要因と考えられているものの中に“脾気虚(ひききょ)”があります。これは、赤ちゃんの体質にも関係しています。

 

 

受胎時に親から受け継いだ生命エネルギーである“先天の本(せんてんのほん)”や生まれてから赤ちゃん自身が作り出す栄養である“後天の本(こうてんのほん)”の不足により、脾胃が虚弱化し、下痢が起きると考えられています。

 

 

 

このような、体質的な要素も下痢の原因となりますから、ママがどんなに注意をしていても、赤ちゃんに下痢の症状が出ることもあります。

 

そんなときには、東洋医学に基づいた夜泣きのお薬「ひやきおーがん」です。

 

 

 

「ひやきおーがん」は心身のバランスを整えることで、赤ちゃんの脾の機能を高めるお手伝いをします。

 

 

 

「ひやきおーがん」は夜泣きのお薬というイメージをお持ちのママが多いと思いますが、効能・効果は「小児の神経質、夜なき、かんむし、ひきつけ、かぜひき、かぜの熱、ねびえ(寝冷え)、下痢、消化不良、乳はき(吐乳)、食欲不振、胃腸虚弱」と様々です。

 

 

実際に「ひやきおーがん」をお子さまの「下痢、消化不良」で使用されたお客様の声をご紹介します。(ひやきおーがん・お客様アンケートより抜粋)

 

 

ママの声①「少しやわらかい便で、下痢になりそうな時に使うと、次の日からは良い便になっている」

ママの声②「慢性的な下痢がよくなってきた」

ママの声③「かぜひきの下痢のとき、よく効く」

 

 

これらは、赤ちゃんの体質改善効果(脾、胃の機能強化)だと考えられます。

 

 

 

あと10日もすれば、新年を迎えます。

ママは育児に、家事に、普段以上に忙しくされていると思います。

そんな中、20日に発表された国立感染症研究所の報告によると、ノロウィルス等による感染性胃腸炎の患者数が例年を上回るペースで拡大しているそうです。

 

 

食事前も含めて、手洗いを徹底して、気を付けてお過ごしください。

特に、お仕事をしているパパ、ママは忘年会シーズンでもありますので、赤ちゃんのためにも、くれぐれも気を付けてお過ごしください。

 

 

 

次回は、育児ママの心配事④として、赤ちゃんの「食欲不振、胃腸虚弱」について、考えていきたいと思います。

 

…今回も、最後までお付き合い頂き誠に有難うございました!

 

 

 

【 “今日のすくすく赤ちゃん” のご紹介です 】

滋賀県の凛花(りんか)ちゃん (2015年5月生まれ、身長78cm、体重10kg)

 

~ママから凛花ちゃんへのメッセージ~

可愛いりんちゃん。やさしい女の子になってね。

 

 

 

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筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長