(第75回)お子さんの花粉症について④~花粉症におススメなレシピ~
“今日のすくすく赤ちゃん” の紹介は、コラムの最後に登場です♥
前回のコラムでは東洋医学からみた花粉症について考えてみました。
東洋医学では治療の基本は体質改善です。そして、体質改善には日々の生活の過ごし方も重要です。それには、当然、“食べる”ことも含まれています。
では、皆さん、ここで質問です。
生薬(しょうやく)と聞くとどんなイメージを持たれるでしょうか?
植物、薬、漢方、苦い等々・・・それぞれいろいろなイメージを持たれていると思います。
実は、生薬は皆さんの日常の中、ごく身近に存在しているのです。
東洋医学の思想 “医食同源”とは
病気を治す薬と食べ物とは、本来根源を同じくするものであるという考えです。食事に注意することが病気を予防する最善の策であり、また、日ごろの食生活も医療に通じるということです。
唐代の医学書『黄帝内経・大素』では「空腹ヲ満ストキハ食ト言イ、病ヲ治ストキハ薬ト言ウ」と記載されています。
食材と生薬(しょうやく)
食材とは、「食物としての価値が明確なもの。空腹のために食するもの」
生薬とは、「薬効が目立つもの。病気を治療するために食するもの」
食材の中には、特定の部位だけを取り出したり、刻んだり、乾燥させたりした状態のものを“生薬”と呼んでいるものがあります。
例えば、
食材名 | 生薬名 | 性状 |
生姜
(しょうが) |
生姜
(ショウキョウ) |
コルク層を除き石灰をまぶすなどの乾燥処理したもの。 |
山芋
(やまいも) |
山薬
(サンヤク) |
周皮は取り除いて、そのまま又は蒸してから乾燥したもの。 |
紫蘇
(しそ) |
蘇葉
(ソヨウ) |
半日ほど陽乾、葉が萎えたところで陰乾したもの。 |
玄米
(げんまい) |
粳米
(こうべい) |
精米していないうるち米。 |
これらは皆さん、日常の中で、食材として目にしたり、口にされたりされているものです。
また、生薬は植物だけではありません。動物も生薬として使われています。
例えば、
牛黄(ゴオウ)→ 牛の胆の中に生じた結石
熊胆(ユウタン)→ 熊の胆汁を乾燥したもの
麝香(ジャコウ)→ ジャコウジカの雄のにおい袋から採取したものを乾燥したもの
海馬(カイバ)→ オオウミウマ(タツノオトシゴの一種)の内臓を除去して乾燥したもの
“生薬”はお薬です。しかし、それらは実は、皆さんの身近にある食材であり、普段からよく口にされているものでもあるのです(^^)
そこで、前回は花粉症に良い食材をいくつかご紹介させて頂きました。
今回はそれらの食材を使った簡単(手抜き?!)お料理レシピをご紹介致します。
食材の中には生薬として使われているものも使用しています(^^)
【キャベツとニラのふわふわ卵焼き】
材料(4人前)
ニラ・・・1束
新キャベツ・・・1/6個
山芋(すりおろしたもの)・・・1/2カップ
豚ひき肉・・・100g
卵・・・5個
生姜(すりおろしたもの)・・・小さじ1
酒・・・小さじ1
中華スープの素・・・適量
塩・・・適量
こしょう・・・適量
ゴマ油・・・適量
作り方
(1)
ニラ、キャベツはよく洗い、ニラは3cmの長さに切る。キャベツは短冊切りにする。
※キャベツはニラと同じくらいの長さにすると良い
(2)
熱したフライパンにごま油とすりおろした生姜を入れ、そこに豚ひき肉を入れ、酒少々をふりかけ、塩、こしょうをして、よく炒める。
(3)
豚ひき肉に火が通ったら、キャベツとニラを加え、塩、こしょう、中華スープの素を入れ、しんなりするまで炒める。
※火力は強火にする。弱火で炒めると野菜の水分が出てきてしまう。
※(冬)キャベツを使用する場合は、新キャベツに比べると葉が硬いので、ニラよりも先に加えて火を通す。
(4)
ボウルに卵と山芋を入れ、よく混ぜる。
(5)
(4)をフライパンに流し込み、具材とよく混ぜ合わせ、両面を焼く。
ボリュームのある1品です。
味がしっかりとついているので、何もつけずにそのままで召し上がれます。
もし、味が物足りない場合は、ラー油をかけたり、ポンズをかけたりして召し上がってください。
調理のポイント
〇(4)で、大きいままでは両面を焼きづらい場合は、フライパンの中で3~4等分に分けてしまってから、両面を焼くと良いでしょう。
〇焼く作業は5~7分程度です。焼き始める前に卵や調味料の準備など全て終わらせておきましょう。
〇アレンジメニュー
中華スープではなく、しょうゆ、砂糖、みりんで味を付けると、すき焼き風になります。
東洋医学からみた豚肉
脾、胃、腎に作用し、精力を高め、血液を補い、身体に潤いを与える。
東洋医学からみた卵
卵黄・・・脾、肺に作用し、体液や血液を補い、身体に潤いを与える。
卵白・・・心、肺、腎に作用し、体の余分な熱を冷ます。
【新じゃがいもと貝柱の煮物】
材料(4人前)
新じゃがいも・・・約300g(Sサイズ 6~8個)
貝柱の缶詰(フレークでも良い)・・・1缶
水・・・2/3カップ
酒・・・大さじ1
塩・・・小さじ 1/3
作り方
(1)
新じゃがいもは1~2cm各に切り、水につけアクを取る。
(2)
鍋に切った新じゃがいもと貝柱の缶詰の汁、水、酒、塩を加え、中火で煮る。
(3)
水分が少なくなってきたら、貝柱を加え、水分がなくなるまで煮詰める。
付け合せにスナップエンドウを添えると、彩りが鮮やかになります。
冷めても美味しく召し上がって頂けます。
調理のポイント
〇基本的な作り方は“粉ふきいも”です。
東洋医学からみたホタテガイ
脾、腎に作用し、体液を補う。めまいやのぼせ、倦怠感に有効。
ここで、ポイント!!
薬膳では調味料も食材として考えます。
こしょう
脾、肺に作用し、お腹を温め、気の巡りを良くする。
砂糖(白糖)
脾、肺に作用し、気を補う。
砂糖(黒糖)
肝、脾に作用し、血を補う。
塩
心、脾、肺、腎に作用し、胃腸の停滞感に有効。
酢
肝、胃に作用し、血の巡りを良くする。
酒
肝、心、肺、脾に作用し、血の巡りを良くし、身体を温める。
醤油
脾、腎に作用し、体の余分な熱を冷ます。
ゴマ油
肺に作用し、大腸を潤す。腸の乾燥から起こる便秘に有効。
味噌
脾、腎に作用し、体の中の余分な水分を排出させる。
【鶏ミンチのさっぱりハンバーグ】
材料(直径4~5cm円、約15個)
鶏ミンチ(もも)・・・500g
鶏ミンチ(むね)・・・200g
山芋(すりおろしたもの)・・・50cc
タマネギ・・・1/2個
シソ・・・10枚
A 卵の黄身・・・1個
A 生姜(すりおろしたもの)・・・大さじ1
A 酒・・・小さじ1
A 塩・・・小さじ1/2
A こしょう・・・適量
ゴマ油・・・適量
作り方
(1)
耐熱ボウルにみじん切りにしたタマネギを入れ、電子レンジでチンする(約2分)→冷ましておく。
(2)
シソは千切り、山芋はすりおろしておく。
(3)
(1)のボウルに、鶏ミンチ、シソ、山芋、Aを入れ、手でよく混ぜ合わせる。
(4)
(3)を冷蔵庫で1~2時間置いておく。
(5)
(4)をスプーンですくい取り、ゴマ油をひいたフライパンの上で成形しながら両面を焼く(4~5cm円)
お好みで、ポンズやお醤油をかけて召し上がってください。
冷めてもフワフワ感が残っていますので、お弁当のおかずにピッタリです。
調理のポイント
〇このハンバーグのタネはパン粉などのつなぎを入れていないので、とても軟らかく、手での成形には向きません。大きめのスプーンですくって、フライパンの上で成形しましょう。
(デコボコも愛情のうち、ということで^^)
〇キレイに成形したい場合は(3)のときにパン粉を加えてください。
〇シソの代わりにネギでも代用できます。
〇アレンジメニュー
スープに入れると、鶏つくねスープになります。
東洋医学からみた鶏肉
脾、胃に作用し、お腹を温め、気を補う。身体に元気をつける。
東洋医学からみたタマネギ
肝、肺に作用し、気を巡らせ、胃の働きを高める。
東洋医学では、季節に合わせた“旬”の食材を摂ることも健康な生活には重要であると考えられています。
春の時期には、新キャベツ、新じゃがいも、新たまねぎなどの旬なお野菜がたくさんあります。是非、これらを上手に組み合わせて、花粉症に負けない体を作ってください。
次回の育児コラムはいつもとは違って、4月7日(土)の更新です。
4月7日は“夜泣き改善の日”です。この夜泣き改善の日に合わせて募集致しました「夜泣き大賞」の結果発表です!どのような夜泣きエピソードが選ばれるのか、お楽しみに(^^)
今回も、最後までお付き合い頂き、誠に有難うございました!
【 “今日のすくすく赤ちゃん” のご紹介です】
兵庫県の空咲ちゃん
(2017年4月生まれ、身長80cm、体重8kg)
~ママからのメッセージ~
初節句でおひなさまとパシャリ。いつもは甘えん坊だけど、この日はしっかりおすまし顔してくれました。これからもすくすく大きくなってね。
筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長