(第99回)東洋医学からみた“秋”の過ごし方③~肺の働きを助ける食材&簡単レシピ(食事編)~
“今日のすくすく赤ちゃん” の紹介は、コラムの最後に登場です。
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もうすぐ9月が終わります。“10月”と聞くと、“秋”をイメージされる方も多くいらっしゃると思います。芸術の秋、読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋・・・秋にもいろいろな形容詞がつきますが、1番大切なことは、元気に、健康で過ごすことです。
夏の疲れを引きずったままにしないように、いずれ訪れる冬に向けて、この秋はいつもより“健康”に注意して過ごされてみるのも良いのではないでしょうか(^^)
そこで、この育児コラムでは、
①秋の過ごし方の注意点
②秋に積極的に摂って頂きたい食材の紹介&レシピ(スイーツ編)
をそれぞれ、お伝えしてきました。
今回は前回に続き、肺の働きを助ける食材を使った簡単レシピ(食事編)をご紹介致します。
おススメレシピ(食事編)
前回の育児コラムでご紹介したスイーツ「白キクラゲと梨のハチミツ煮」で使用した“白キクラゲ”。
この白キクラゲも生薬です。白木耳(ハクモクジ)と呼ばれています。ただし、日本では、生薬の中でも、“医薬品(の原料)ではない”の分類に入っていますので、食用です。
白キクラゲはシロキクラゲ科シロキクラゲ属のキノコです。子実体はゼリー質で半透明ですが、乾燥すると小さく縮み、湿ると元に戻ります。中国や台湾では、銀耳とも呼ばれています。
五臓の肺、腎、六腑の胃に作用し、肺を潤し、胃を保養する働きがあります。皮膚の乾燥、体液不足による口渇、体力低下による息切れ、咳などに良いとされています。
全身を潤す働きがあるため、中国では昔から“美肌”食材として人気が高く、日本で世界三大美人といわれている楊貴妃が好んで食べていたという説もあります。
また、カロリーも低く、ダイエットにも最適な食材の1つです。
中華食材を取り扱う食材店、スーパーなどで、乾燥したものを購入することが出来ます。
今回は、この白キクラゲを使ったスープを作ります。
体ポカポカ、お腹いっぱい食べてもヘルシー!!
【白キクラゲと鶏ささみのスープ】
材料
白キクラゲ・・・1つかみ(片手)
鶏ささみ・・・3本
エノキタケ・・・1袋
クコの実・・・大さじ1
すりおろし生姜・・・小さじ1
中華スープ・・・適量
酒・・・適量
こしょう・・・適量
作り方
(1)
白キクラゲを15分程度水に浸した後、流水でよく洗う。黄色く硬い部分(石づき)を切り取り、適当な大きさにカットする。
(2)
鶏ささみはスジを取除き、酒を少量ふりかけ、耐熱皿にのせ、軽くラップをして電子レンジで2分程度加熱する。
(3)
エノキタケの石づきを切り取る。冷ました鶏ささみは手で適当な大きさに裂く。
(4)
鍋に水(適量)を入れ、沸騰したら、白キクラゲ、鶏ささみ、エノキタケ、クコの実、おろし生姜を入れ、こしょうと中華スープで好みの味付けをする。
調理のポイント
〇白キクラゲは加熱する時間で食感が変わります。コリコリ感がお好きな場合の加熱は15分程度、プリプリ感がお好きな場合の加熱は30分以上を目安にされてください。
〇白キクラゲには独特の匂いがあります。気になる場合は、水で戻した後、流水でしっかりと水洗いをしてください。
ここで、ポイント!!【クコの実】
クコの実は“不老長寿の神薬”といわれ、漢方薬や薬膳で幅広く使用されてきました。
滋養強壮、イライラの沈静、目の疲労を回復する働きがあります。また、肺を潤す働きもあり、慢性の咳にも良いといわれています。
スープのアレンジ
鶏ささみの代わりに手羽元にすると、動物性のコラーゲンも摂れるので、更にお肌プルプルです(^^)
白キクラゲのコリコリ感を楽しむ!さっぱりサラダ!
【白キクラゲとしらすのサラダ】
材料
白キクラゲ・・・1/2つかみ(片手)
しらす・・・大さじ1~2
乾燥ワカメ・・・大さじ1~2
ポン酢・・・適量
作り方
(1)
沸騰したお湯に(乾燥したままの)白キクラゲを入れ、1分程度、湯通しする。
(2)
白キクラゲをザルにあげ、流水でよく洗い、黄色く硬い部分(石づき)を切り取り、適当な大きさにカットする。
(3)
乾燥ワカメは水で戻しておく(大きい場合は適当な大きさにカットする)
(4)
ボウルに白キクラゲ、水で戻したワカメ、しらす、ポン酢を入れ、よく和える。
調理のポイント
お好みでポン酢ではなく、三杯酢で和えても美味しいです。このサラダは、マヨネーズやマスタードより、ポン酢系のものが合います。
サラダのアレンジ
乾燥ワカメの代わりにキュウリを使うと、キュウリのシャキシャキ感と白キクラゲのコリコリ感が楽しい1品になります(^^)
肺の働きを助ける食材の中から、おススメ食材 【山芋(長芋)】
普段の食卓にも並ぶ“山芋(長芋)”も実は、生薬です。
生薬としての名称は“サンヤク(山薬)”です。形状は、ヤマイモ科ヤマイモ又はナガイモの周皮は取り除いて、そのまま又は蒸してから乾燥したものです。
滋養強壮に効果があり、“気”を補う働きもあります。
漢方薬の八味地黄丸(はちみじおうがん)、六味地黄丸(ろくみじおうがん)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)、啓脾湯(けいひとう)などに配合されています。
山芋は脾、肺、腎に作用し、それぞれの機能を高めます。消化を助け、胃腸を丈夫にします。体力も増し、筋肉も強めます。
東洋医学では、養生に適し、少量ずつ毎日食べるのが良いとされています。
そんな山芋を使った炊き込みご飯です。
秋に食べたい!
【ホクホク、山芋とちくわの炊き込みご飯】
材料
お米・・・2合
山芋・・・7~8cm
ちくわ・・・3~4本
おろし生姜(チューブでも可)・・・大さじ1
醤油・・・大さじ1
酒・・・大さじ2
塩・・・小さじ1
白ゴマ・・・適量
作り方
(1)
山芋は皮を剥き、一口大の大きさにカットする。ちくわは輪切りにする。
(2)
研いだお米を炊飯器に入れ、お米(2合)に合わせた分量の水を入れる。
(3)
山芋、ちくわ、おろし生姜、醤油、酒、塩を入れ、よくかき混ぜたら、炊飯スタート。
(4)
食べる前に白ゴマをふりかける。
調理のポイント
〇おろし生姜の香りが食欲をそそります。
〇ほんのり醤油の香りがする分量です。しっかりと味をつけたい場合は、醤油大さじ2にしてください。
〇白ゴマはたっぷりかけてください。
ここで、ポイント!!【白ゴマ】
肺の働きを助ける食材です。身体を潤し、気の巡りを良くする働きがあります。肌の乾燥、便秘、頭痛、めまいに良いといわれています。
秋には特に、良い食材です(^^) 積極的に摂るようにしましょう!
サラダのアレンジ
ちくわの代わりに、油抜きした薄揚げでも美味しくできます。
今回も、最後までお付き合い頂き誠に有難うございました!
【“今日のすくすく赤ちゃん”のご紹介です】
大阪府の暁斗(あきと)くん
(2016年4月生まれ)
~ママからのメッセージ~
2才を過ぎたころから、電車や乗り物が大好きになってきました!さすがは男の子です(*^^*)いつも夜に寝るときには、布団の上で「くまさんのブーブー」と言いながらリラックマのミニカーで遊ぶのが日課になっています。
くまさんのブーブーを見つめる笑顔が可愛いですね(^^)
筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長